海外端末メーカーの日本市場進出が相次いでいる。2004年末にボーダフォンのコンバージェンスモデルとしてNokiaとMotorolaが日本市場に端末を投入(2004年9月の記事参照)。以降、Samsung(1月18日の記事参照)やPantech&Curitel(2005年10月の記事参照)が日本市場への参入を果たし、LG電子(2005年6月の記事参照)もFOMA開発でドコモと合意している。
そんな中、比較的早期に日本市場への再参入を果たしたNokiaが、日本市場での端末投入ペースを徐々に上げている。2005年末、ボーダフォン向け「ボーダフォン・オフィス・メール」(2005年12月の記事参照)対応の「702NK II」(9月20日の記事参照)を開発。2006年にはドコモ向けに海外ローミング端末「NM850iG」を開発したことを発表しており、ESeries(2005年10月の記事参照)の日本市場投入にも前向きな姿勢を示している(1月24日の記事参照)。
Nokiaは2006年の日本市場をどのように見ており、どんなアプローチで日本市場でのブランド確立を目指すのか。アジア太平洋地域でマルチメディア系端末「NSeries」のディレクターを務めるスティーブ・ルイス氏に聞いた。
ITmedia 2006年、アジア太平洋地域での端末投入についてどのようなプランを考えていますか?
ルイス氏 2005年末のワールドワイドの業績を見ると、堅調に成長したことが分かります。好調の理由として挙げられるのは、スマートフォンや3G端末、マルチメディア端末が伸びたこと。欧州の3G市場を見てみると、最初はいくつかの機種しかリリースしていませんでしたが、年末には市場のリーダー的存在になりました。マーケットシェアも35%に達するなど、大きな成長を遂げています。
2006年はNSeriesにフォーカスしたいと考えています。2005年に高性能なマルチメディア端末を2機種発売しましたが、2006年にはもっと多くのものをリリースしたいですね。
マルチメディア端末が大きな成功を収めているのはアジア太平洋地域。それほど期待していなかったインドやインドネシアでも大きな成長が見られました。2006年、大きくフォーカスしていきたいのが日本市場です。進んだ市場であり、既にさまざまなマルチメディア系サービスが始まっているこの市場を私たちはとても重要視しています。
ITmedia 日本市場の2006年のトレンドといえば、HSDPA、ワンセグ、FeliCaなどが挙げられます。こうしたニーズへの対応は進んでいますか?
ルイス氏 HSDPAについては、既に私たちはネットワークソリューションを持っており(2005年4月の記事参照)、今後さらに重要な技術になってくると認識しています。端末リリースのロードマップについてはお話しできませんが、将来、Nokiaから対応端末が出てくるのは間違いないでしょう。
FeliCaについては、現在、市場動向やニーズを注意深く見つつ、いろいろと調査を行っている段階です。デジタルテレビ放送についても調査を進めていますが、まずは欧州やアジアで採用されている規格のDVB-Hをやっていきます。近距離無線通信もデジタルテレビ放送も、世界中にさまざまな異なる規格があり、私たちはそれらの技術について各地域で調査や分析を行っています。日本固有の技術についてもオープンスタンダードとの適切なバランスを探りながら展開したいと考えています。
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