昨年、JR東日本の「モバイルSuica」など、FeliCaを使った公共交通向けIC乗車券システムの多くが“おサイフケータイ対応”を果たした。その強い動機付けとして、「残額確認」や「オンラインチャージ」など、プリペイド方式の“使いにくさの解消”があった(2005年11月9日の記事参照)。
しかし、PiTaPaは、この「プリペイド方式の使いにくさ」を、ポストペイ方式の採用という発想の転換で克服した。おサイフケータイ対応の「モバイルPiTaPa」が登場する可能性は低いのだろうか。
「おサイフケータイ対応の意欲や動機がない、ということはありません。しかし当然ながら、(JR東日本など)他事業者と導入の動機や目的は異なるでしょう。PiTaPaはポストペイですから、残額確認やチャージは不要。定期券サービスも自動割引機能がありますから、この部分でのおサイフケータイ対応の必要性はありません」(松田氏)
では、どこにおサイフケータイのニーズがあるのか。
「我々がPiTaPaを導入した大きな目的は『公共交通機関の利用促進』です。ここに関連する部分、例えばグーパスの機能拡張をする形でのおサイフケータイ対応ならば十分に可能性があります。
例えば、おサイフケータイを自動改札機にかざすと、駅近隣ですぐに使えるクーポン券を送る。さらに、そのお店までの(歩行者)ナビゲーションまで行い、そのお店ではPiTaPa決済が使える。グーパスと連携するサービスとして『モバイルPiTaPa』といったものが実現できれば、お客様の利便性向上や(駅周辺の)ビジネス連携に効果的だと考えています」(松田氏)
松田氏が例としてあげたような仕組みは、ドコモのおサイフケータイが持つ「トルカ」(2005年11月7日の記事参照)や、auのおサイフケータイが持つ「EZナビゲーション連携」(3月27日の記事参照)の機能を使えば、今すぐにでも実現できそうだ。
「他にも旅行者向けに歩行者ナビゲーションと組み合わせたサービスであるだとか、様々なサービスモデルを検討しています。モバイルPiTaPaで重要だと考えているのが、『公共交通機関に乗る』『ショッピングをする』『道案内をする』という3つの機能を、携帯電話でシームレスに提供することです。特に『PiTaPa決済が使えるお店がどこにあるかわからない』というお客様の声があることから、EZナビウォークのような歩行者ナビゲーションサービスとの連携を重視しています」(松田氏)
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