GPSの義務化に向け、「3Dナビ」で優位に立つ──KDDI

» 2006年03月27日 18時00分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 KDDIが提供するサービスの中でも、他キャリアに対する優位性が高いといわれるのがGPSを使ったナビゲーションサービス。端末ラインアップ、ユーザー数、機能の多彩さなど、他キャリアの追随を簡単には許さないレベルに達している。

Photo 新端末のほぼすべてにGPS機能が搭載されるなど、対応端末のラインアップが豊富なKDDI。全出荷端末のうちGPS対応機種の割合は78%を占める(左)。いくら地図をダウンロードしても料金面で不安がない、パケット定額プランがナビ利用の普及を後押ししており、ナビサービス利用者の75%が定額制に加入しているという(右)
Photo 3キャリアの中でも早期にナビサービスを立ち上げたことから、サービス面でも先行している。音声による検索やバス路線への対応、PCとの連携に対応済み

 そんなKDDIが4月下旬から、ナビタイムジャパンとの協業による「3Dナビ」機能を追加すると発表した。平面の地図表示と周囲の町並みを3Dで表現した立体地図を組み合わせて目的地までのナビを行う新サービスだ。

 地図を読むのが苦手なユーザーが感じている「歩き出しの方向が分かりにくい」「正しく角を曲がっているのかが不安」「目的地が近いはずなのに分からない」といった不安を解消できるサービスだと、KDDIのコンテンツ・メディア事業本部コンテンツ推進部の竹之内剛氏は説明する。

Photo 3Dナビサービスの発表会に登場したKDDIコンテンツ・メディア事業本部コンテンツ推進部の竹之内剛氏(左)とナビタイムジャパンの大西啓介社長(右)

歩き出し、曲がり角、目的地付近で、立体の町並みを表示

 3Dナビは、ナビを利用しているユーザーが迷いそうなところで立体地図を自動起動するもの。そのポイントは、駅などから出て歩き出そうとするスタート時点と主要な曲がり角、目的地付近だ。立体地図表示への切替タイミングは音声ガイダンスと連動しており、曲がり角や目的地の50メートル手前にさしかかると、平面地図から立体地図へと表示が自動で切り替わる。ユーザーは周囲の風景と自分の位置を対比しながら目的地に向かうことが可能だ。

 立体地図は、目線の高さの地図に加え、上から見下ろす視点のスカイビューも用意。どちら側の道を歩いているのかが分からないときなどに便利な機能だという。

Photo EZナビウォークを起動するとまず平面の地図が起動。その直後に3Dナビ対応地域であれば立体地図に切り替わる。特に曲がり角などがない場所では平面地図の表示に戻り、曲がり角の手前に来るとまた立体地図が起動する。周囲の位置関係を把握できるよう、360度の町並みを表示させることも
Photo 標準マップと立体地図でそれぞれ2通りの地図表示が可能。なお3D地図が必要ない場合はオフにも設定できる。立体地図はゼンリン/ジオ技術研究所の「Walk eye Map」を採用しており、地図のアップデートは1年に1回行う予定としている

 表示される立体地図は、場所によっては店名の看板も表示されるなど、なかなか本格的なもので、移動に対する立体地図の追従もスムーズに行われていた。

3D地図描画用の独自フォーマットを開発──ナビタイム

 EZナビウォークの立体地図対応にあたり、ナビタイムジャパンは3D描画用地図データの新フォーマット「V3Dformat」を開発した。携帯電話の場合、ユーザーにストレスを感じさせない地図表示を行うためには、通信用のデータをできるだけ軽くする必要があるからだと、ナビタイムジャパンの大西啓介社長は説明する。

 「(立体地図に採用しているゼンリン/ジオ技術研究所の立体地図「Walk eye Map」の場合)カーナビなどに使われているデータのサイズは5Mバイトくらいある。これを携帯用に50分の1にあたる100Kバイトくらいに軽量化している」(大西氏)。V3Dformat化に当たっては、テクスチャ画像のサイズ縮小や表示色の最適化、3D地図に特化した同社独自の軽量化を行っているという。

Photo ナビタイムジャパンがKDDI向けに提供するサービスのシステム構成。経路検索グループと描画グループで構成されており、今回のサービス提供に当たっては、3D地図描画用の新フォーマットV3Dformatを開発し
Photo Open GL ESを搭載したBREWだから実現できたと大西氏。なお、3Dナビを実現する上では端末側にも必要条件がある。BREW 3.1以上を搭載し、かつ東芝製の3Dグラフィックエンジン「T4G」もしくは3Dエンジンの「Q3D」を備えるQualcommチップが搭載されているというものだ

 ナビタイムジャパンは、他キャリア向けにもナビゲーションサービスを提供しているが、同様のサービスをJava端末向けにすぐ提供できるものではないという。「BREWに備わっているグラフィックス処理用インタフェースOpen GL ESが、最も効率よく処理できるデータ構造で端末側に送信しているからこそ実現できた。V3Dformatを使ったからといってできるわけではない」と、KDDIの優位性を説明した。

GPS機能の義務化に向けて、新サービスを用意

 3G携帯電話へのGPS機能搭載については、2007年にも義務化される見通しで(2004年5月の記事参照)、NTTドコモやボーダフォンもラインアップに加え始めている。

 KDDIでは、ユーザーの求める機能をさらにナビサービスに組み込むことで、優位性を揺るぎないものにしたい考え。新機能として、ナビサービスをベースとしたコミュニティサービスも開発中だ。「目指すのは(人の移動をトータルでアレンジする)コンシェルジュのようなサービス。ナビゲーションサービスが当たり前の生活ツールになるよう、ユーザーの使いやすさに配慮した新機能を追加していく」(竹之内氏)

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