部下に課すべき「8つの訓練」とは「仕事ができるやつ」になる最短の道(2/3 ページ)

» 2015年09月14日 07時00分 公開
[安達裕哉ITmedia]

3.ディスカッション

 ディスカッションは非常に重要なスキルの1つだ。特に、顧客とディスカッションするシーンが多かったコンサルタントの仕事においては。

 だが、勘違いしている人も多かったのだが、「ディベート」と異なり、「ディスカッション」の目的は相手を論破することではない。相手を打ち負かしてしまっては、まとまるものもまとまらない。

 「相手のプライドを傷つけずにうまく本音を引き出し、自分の言っていることを相手に理解してもらったうえで、ディスカッションの前に出ていた案よりも良い案で合意する」という結果を得るための活動が「ディスカッション」である。

 訓練法は極めて地味で、社内で繰り返し行われるディスカッションを通じて部下を訓練するが、ディスカッションの目的を知っていれば、比較的、短期間で技術を身につけることが可能だ。

4.会議の仕切り

 いわゆる「ファシリテーション」という技術である。顧客先で会議の進行役を務めるケースが多いため、新卒にも「会議の仕切り」をやらせる。ファシリテーションの目的はさまざまあるが、私は「会議を盛り上げ、全員の意見を引き出す」というゴールを設定していた。

 訓練を繰り返すと、新人であっても「議論が停滞しているが、この人に聞けば打開できる」、あるいは「最初からこの人に聞くと結論が出てしまうので、この人には最後に意見を求めよう」といった議長のスキルが身につく。

 これは、議長でなく会議のメンバーになったときにも「会議へのうまい参加の仕方」が身につくことになるので、非常に有意義な訓練である。

5.人前で話すこと

 若手にも、積極的にセミナーの講師をやってもらった。もちろん最初は誰でも声が震え、講義どころかあいさつすら満足にできない。

 しかし、人間の能力はすごいものである。訓練を繰り返すうちに、ほとんど誰であっても、大体半年程度で立派に話せるようになる。

 訓練法は至ってシンプル。セミナーの内容を覚え、リハーサルを繰り返すだけ。実際、誰でも講師になるのは可能である。

 また、人前で話すことに慣れると自信がつくので、大抵のプレゼンテーションは楽にこなせるようになる。

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