経済格差は健康格差に直結する。身もふたもないような話だが、これはすでに医学界の常識だ。生活習慣が個人の努力で変えられるというのは、幻想に過ぎない。
所得格差は生活習慣の格差と相関関係がある。例えば世帯所得600万円以上、600万円未満〜200万円以上、200万円未満の世帯を比べてみると、男性喫煙率は27%、34%、37%となる。低所得層ほど喫煙率が高まるのだ。
あるいは女性肥満者の割合については、年収600万円以上が13%、200〜600万円が21%、200万円未満が25%となる。所得格差が生活習慣格差にリンクし、結果的には健康格差につながっている。
生活が苦しい人は、走ったり運動したりする時間がそもそもない。仮に時間があったとしても、働くだけで疲れきっていて、余分な運動することなど考えもしないだろう。
病人を減らし、医療費を抑えるためには、社会環境全体を改善する必要がある。これは、これからの日本でも主流となる考え方であり、この流れからはさままざまなビジネスチャンスが生まれるはずだ。(竹林篤実)
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