出世族に共通する“転職”の決め手とは銀座で学んだこと(1/4 ページ)

» 2015年10月19日 08時00分 公開
[桃谷優希ITmedia]

あなたの大きな夢をなえさせるような人間には近づくな。たいしたことのない人間ほど人の夢にケチをつけたがるものだ。真に器量の大きな人間は、自分にも成功できると思わせてくれる。(マークトウェイン)

 ある日のこと、喫茶店で「できる人を企業が手放すわけがない。できる人ほど、安全な“終身雇用制度”がいまだに確立されている」と話しているビジネスパーソンがいました。

 確かに、会社側としてはできる人を手放したくないだろうと思いますが、その手のタイプは自信家で、仕事ができるという確固たる自負があります。そのため、ヘッドハンティングされることも多いでしょうし、自分で他の会社を探す場合もあるようです。

 いずれにせよ、出世族に共通する“転職”の決め手は一体何なのか。「やっぱり提示額の問題じゃないの?」と考える方もいらっしゃると思いますが、意外にもそうでないことが見えてきました。

転職を考えるとき

 「誰にでも、転職を考える機会はあるよ。どんなに職場の居心地がよくてもね。分かりやすいのは、上司が相対評価型の場合。相対評価を気にしていると精神的にまいってしまう。仕事ができる人――例えば、若くして出世したとか、大きな仕事を成功させたとなれば、あっという間に社内で孤立する。その会社で自分だけを絶対評価に置くのは難しいから周りを切り替えるしかない。そのほうがてっとり早いからね」と話すのは、大手求人媒体部長のAさん(40代半ば)。

 Aさんは若くして出世されていますから、部下のほとんどが年上のようです。

 「今の会社に転職した第一の理由は、会社全体が絶対評価型だったから。その雰囲気に魅力を感じた。待遇の面でいえばもう少し良いところが何社かあったけれど、今のところにしたのは“人”が良さそうだったから」

 現在、Aさんには年上の部下がいますが、クラブや食事に行くときは役職に関係なく必ず年上の方を上座に座らせるそうです。Aさんにその理由を聞くと、こうおっしゃいました。

 「ねぎらいのときまで僕が上座にいる必要はないよ。接待の場なら話は別だけれど、仲間内で飲むときはそうしている。人間関係がいいと思って入っているのに、僕自信が敬意もなく偉そうにしていたら元も子もないから、時と場に応じて上司、部下、同期の関係は臨機応変に対応しているよ」

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