阪神の救世主となるか 新監督「鉄人」の知られざる努力と忍耐赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)

» 2015年10月22日 08時00分 公開
[臼北信行ITmedia]

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


 プロ野球の東西人気2球団が大きな転換期を迎えようとしている。「東」では巨人の原辰徳監督が通算12年の監督生活を終えて退任。これを受けて球団側は高橋由伸外野手兼任打撃コーチを後任の最有力候補として挙げ、交渉を始めた。高橋は現役に固執していると聞くが、人一倍責任感の強い性格の持ち主だけに球団側の要望をムゲにはせず近々にも監督就任要請を受託する可能性が高い。

 そして「西」の阪神。今季限りで退任した和田豊前監督からバトンを受けたのは、金本知憲氏だった。10月19日に行われた就任会見では「何とか、このチームを強くしたい。今はそれしか考えていない」と力強く言い切った。ここまで3年連続でAクラスには入っているとはいえ、10年連続でV逸となっている現実を見れば楽観視できるようなチーム状態ではない。その低迷を断ち切る再建役として再び虎のユニホームを身にまとうことを金本氏はしっかりと自覚していた。

 2003年から現役を引退する2012年まで阪神でプレー。2003、2005年はリーグVの立役者となるなどタイガースの精神的支柱として、その名を轟(とどろ)かせた。1492試合の連続試合フルイニング出場記録はギネス世界記録に認定されている。ニックネームは輝かしいギネス記録にちなんだ「世界の鉄人」、そして頼れる兄貴分であることから「アニキ」。そんなさまざまな「顔」を持つ金本氏に球団側は新指揮官として、いったいどんな役割を期待しているのか。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.