「実を言うとカネ(金本氏)は入団した直後から“このままではまずい”と危機感を覚えて、目の色を変えていた。1年目、2年目と結果は出なかったが、どんどん練習量を増やし続けて地道な筋力トレーニングに励み、朝から晩までバットを振り続けていた。入団3年目の春季キャンプで先輩選手から『いつまで練習しているんだ? 本当に死んでしまうぞ!』と言われたら真顔で『死んでもいいです』と返したこともあったそうだ。
ああいうストイックなプロ野球選手は今の時代、まずいない。“絶対に悔しい思いをしたくない、負けたくない”という思いだけで死に物狂いの努力を重ね、無名からスーパースターの地位をつかんだ。彼はそういう男なんですよ」
過去に指導者経験のない金本氏の手腕を問う声は少なくない。だが底辺から這(は)い上がって球史に語り継がれる名選手となった「努力」と「忍耐」は簡単に真似のできるものではなく、これは同氏しか身につけていない大きな財産であろう。それらを1人1人の選手たちに少しでも伝授することができれば、きっと阪神は生まれ変わる。果たして猛虎の意識改革は成し得るのか。金本阪神に注目したい。
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