通算12年間の在職で大きな結果を残していたものの長期政権によって権限が増大し過ぎてしまい、それが球団内にマンネリズムを生む要因となっていた原前監督の辞任はやむを得なかったと思う。その原前監督の存在を今後超える可能性を帯びた人材は一体誰か――。それを熟慮すれば、若くてネームバリューもあり、たとえ1年とはいえコーチ経験もある「高橋由伸」しかいなかったということだろう。
現役をまるで尻切れトンボのような形で辞めざるを得なくなり、ほとんど準備のないまま大役を任命された高橋監督。正直言ってスッキリしない指揮官誕生ではあるが、たった3日でオファーを受諾したところに凄(すさ)まじいまでの覚悟と勇気を当人に感じたのもまた事実だ。どんな有能なビジネスパーソンでも現場で企業戦士として活躍中のときに、いきなり「社長が辞めることになった。次、頼むよ」と言われ、数日間でOKするのは容易なことではないはず。来季の高橋監督が非常に難しい舵(かじ)取りを強いられるのは間違いないとはいえ、まずは暖かい眼差しで見守りたい。
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