藤原: なので「タイヤは黒色でなければいけない」といった考え方ではダメ。「タイヤは丸くなければいけない」「タイヤはゴムでなければいけない」といった考え方もダメなんです。「速度によって形が変わる形状記憶タイヤはどうだろうか?」「プラスチックでできたタイヤはどうだろうか?」こうした発想力がこれから必要になってくるのではないでしょうか。
土肥: ふむふむ。
藤原: もう1つ、例を挙げましょう。中学生のときに国語で習ったはずの『走れメロス』。主人公のメロスは帰り道にどんなことを考えていましたか? 4つの中から正解を選びなさい――という質問がよく試験に出ましたよね。
土肥: 以前は、4つの中から正解を選ばなければいけませんでした。
藤原: 正解(笑)。でも、今は違う。4つの仮説を与えられ、その中から正解を選ぶのではなく、4つの仮説を自分でつくっていかなければいけません。1.2.3.4と……。
土肥: え、でもそれって結局は正解をつくっているのでは。
藤原: 1.2.3.4の仮説を自らつくって、その仮説を検証して、5つめの納得解を導き出さなければいけないということ。それは1でも2でもなく、試行錯誤していたら、BとかXにたどり着くのかもしれない。
土肥: なるほど。
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