7割が「課長」になれない中で、5年後も食っていける人物金曜インタビュー劇場(藤原和博さん)(4/6 ページ)

» 2015年10月30日 08時18分 公開
[土肥義則ITmedia]

知恵を出さなければいけない

土肥: 藤原さんの話を聞いて、「なるほど。これからの時代は、情報編集力が必要になってくるのか」と理解した人は多いと思います。でも、まだまだイメージがわかない人もいるかもしれません。

藤原: では、ちょっとお聞きしますね。タイヤは何でできていると思いますか?

土肥: ゴムですよね。

藤原: タイヤがゴムでできていることはなんとなく想像できる。知識として知っているからですね。では、ゴムの生産地はどこだと思いますか?

土肥: うーん、どこでしょう? 暑そうな国でつくっているイメージがありますが。

藤原: タイとインドネシアの2カ国で、全世界の約6割を占めているんです。トップ10をみても、東南アジアの国が8つもランクインしています。

土肥: ほー。

藤原: これも知識として知っていれば分かることですね。以前は「タイヤは何でできているのか?」「ゴムの生産地はどこか?」といった正解が求められていました。しかし、これからの時代に求められていることは何か。

 これからは「世の中にいままでなかったタイヤって、どんなアイディアがあるかな?」というような正解のない質問に対して、たくさんの人とブレストして知恵を出さなければいけません。そして、さまざまな意見が出てくるはず。ニオイ付きのタイヤをつくることはできるのか、ピンク色のタイヤをつくることはできないのか、といった感じで。

 タイヤは黒色ですが、これには理由があるんですよ。なぜ黒色かというと、タイヤを強化するためにカーボンブラックが入っているから。でも、黒色のタイヤではダメな作業場もあるんです。床を真っ白に塗って、クギ1本も見逃してはいけないような場所で作業をするフォークリフトなどは、黒色のタイヤだと轍(わだち)が残ってしまうので、白色のタイヤを装着しているんですよね。マーケットとしては小さいかもしれませんが、1本のタイヤの付加価値は高い。黒色のタイヤではいけない現場もあるからです。

「タイヤは丸くて黒色でなければいけない」という思考から脱却しなければいけない

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