出世する人は、数年先の「あるべき姿」を見ている銀座で学んだこと(2/4 ページ)

» 2015年12月14日 08時00分 公開
[桃谷優希ITmedia]

出張の“三種の神器”

 出張というキーワードが出てきたので、出世族の出張エピソードをもう1つご紹介。

 「今の若い人たちの、出張の“三種の神器”といえばスマートフォン、PC、充電器らしいけど、『靴磨き』を持って行く人はいないのかな?」とおっしゃるのは、一級建築士事務所社長のB社長。

 「僕が若かったころ、上司から『靴と身なりは徹底的にキレイにしておけ』と厳しく言われたものだよ。でも、若いうちはお金に余裕がなかったから、靴を磨いてもらうなんて高くて行けなかった。それに、出張先ではどこに靴磨き屋があるのかも分からないから、靴磨きセットとひげそりと爪やすりは三種の神器だった。最近の人たちはみんなどうしているのかな」と首をひねります。

 多くのビジネスパーソンは、出張の際、PCや携帯電話は持って行くでしょう。時間を無駄にせず効率的に仕事をされているのでしょうが、人と会うときには、お顔や名刺交換の際の爪先、足元などには目がいきます。

 「建築士という仕事柄、身だしなみはよりキレイなほうがいい。見習い1年目は現場に行くことが多いから、少し汚れていてもいいと思うけど、社会人3年目にもなれば身なりにも気を遣うべきだと思う。不思議と、そういう気遣いができる人は建築士として売れっ子になっていくんだよね。『ああ、この人に任せたい』と思ってもらうには、ジャケットの袖口、シャツの絵柄1つとっても“それなり”に装う必要がある」とおっしゃいました。

 建築士になりたてのころから身なりに気を遣い続けて、それが仕事にも反映されているというB社長。相変わらず出張は多いものの、社長になった今でも爪ヤスリとひげそりは必ず持ち歩いているそうです。

 「出張先で靴磨きをしてもらっていると、少しは自分も偉くなったなあと思えるんだ。靴磨きの職人さんとあれこれ話していると、おいしいご飯屋さんを教えてくれる。職人さんならではの“あるある話”が聞けるのも、なかなかいいものだよ」とにっこりほほえみました。

(写真はイメージです)

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