アディダスを抜いた? なぜ新参者の「アンダーアーマー」が老舗をおびやかすのか消費トレンドから見る企業戦略の読み解き方(3/7 ページ)

» 2015年12月24日 09時00分 公開

 いま街を見渡せば気づくように、アンダーアーマーのスポーツウェアは“非アスリート”の一般消費者にまで広く浸透しつつある。ナイキやアディダスとの差別化を図りつつ、ニーズを拡大することに成功した理由は――。そのマーケティング上のポイントを3つに整理してみたい。

ポイント1:Product パフォーマンスを最大限に引き出す機能性ウェア

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 同社が「アンダーアーマー」の名を冠して開発したコンプレッションウェア(身体に密着するウェア)は、3つの大きな特徴を持っている。1つ目は、最大の特徴である「快適性」だ。汗を素早く吸収・発散し、着用者の身体を常にドライに保つ。適度な体温を維持する機能も併せ持つ。

 2つ目は「身体の消耗(負担)を最小限に抑えること」だ。軽くフィット感があることで、ウェアによる余計な振動を抑え、体力の消耗を防ぐようになっている。

 そして3つ目は「着心地」である。高いストレッチ性により、ウェアと身体が一体となり、まるで何も着ていないようだとも評される高い機動性を実現している。

 1996年当時、スポーツウェアはゆったり感やリラックス感があるものが一般的だったが、アンダーアーマーは当時では新しい“身体に密着するウェア”を展開。「競技者のパフォーマンスを最大限に引き出す」という独自性の高い商品を送り出すことに成功したのだ。

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