一般的に、リーダー企業は保守的な戦略を採用しがちです。なぜなら、業界第2〜3位のチャレンジャー企業やフォロワー企業などに比べて、先行するメリットが少ないからです。
例えば、家電業界では、かつてパナソニック(旧松下電器産業)がソニーの戦略の後を追い、「マネシタ電器」と揶揄(やゆ)されました。自動車業界でも、アメリカでの現地生産、高級ブランドの立ち上げなど、トヨタはホンダを追随していました。
このように、リーダー企業が先行することが少ないのは、なぜでしょうか?
スケールメリットとも呼ばれる「規模の経済」は通常、売上高の最も大きなリーダー企業に有利に作用します。そのため、チャレンジャー企業やフォロワー企業がリーダー企業と同質の競争を行っても勝つことは難しくなります。
その結果、チャレンジャー企業はリーダー企業との差別化を狙い、積極的に新たな取り組みに挑戦していきます。通常、リーダー企業はより豊富な資金や人材、研究開発、生産、営業体制を持っているため、先行されても後から挽回可能であり、リスクの高い新規事業に打って出るメリットは小さいのです。
また、競合他社による新規事業の取り組みは、リーダー企業にとって、お金のかからない、極めてリアルなマーケティングリサーチとして活用が可能となるという捉え方もできます。
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