井川: いえいえ、そういうわけではありません。店で出すコーヒーの場合、焙煎してから3日から12日の間が「一番おいしい」といわれているので、店頭で販売していた豆を使うのは全く問題ありません。ただ……。
土肥: ただ?
井川: 3日から12日の間が「一番おいしい」と言いましたが、それってコーヒーの豆によって期間が違うんですよ。Aという豆は5日から7日、Bという豆は7日から10日といった感じで。このことを頭に入れておきながら、いま使える豆はどれで、どのくらい残っているのかを計算して、発注量を調整しなければいけません。ややこしいですよね。
土肥: ややこしい、ややこしい。それでも余ってしまった場合はどうするんですか?
清澄白河 ロースタリー&カフェの2Fにオフィスがある。ここでコーヒー豆の焙煎量などを発注する
井川: アイスコーヒー用に使用する豆になります。ただ、そうならないように、どのタイミングでどのように調整すればいいのか。在庫と発注をきちんと管理できるシステムを構築したので、それを見ながら運営している状況です。しかし、簡単な作業ではありません。豆は7種類あるので、それぞれの特徴に合わせて発注量を決めなければいけませんので。
土肥: 気温が下がればこの豆が売れて、気温が上がるとこの豆が売れて……といったこともあるのですか?
井川: ありますね。清澄白河の店は駅から離れたところにあるので、急に雨が降ってきたりすると売り上げがガクンと下がるんです。天候によって売り上げが大きく左右されるので、急な対応が難しい。そうした場合は、翌日以降の発注で調整しなければいけません。
土肥: やはり天候は重要なわけですね。
井川: 晴れか雨かで来店客数はかなり違いますね。店のスタッフは、まず天気予報を見なければいけません。
- ブルーボトルコーヒー、この1年をすべて振り返る
米国発のカフェ「ブルーボトルコーヒー」が、日本に上陸して1年が経った。オープン当初は行列ができていたが、なぜ多くの人は一杯のコーヒーを求めて何時間も並んだのか。同社の井川取締役に分析してもらったところ……。
- ブルーボトルコーヒー創業者が語る、日本進出が必須だった理由
オープン以来、連日盛況なBlue Bottle Coffeeの日本第1号店。なぜこのタイミングで日本に出店したのか。創業者のジェームス・フリーマンCEOに聞いた。
- コンビニコーヒーの味に違いはあるの? 科学的に分析した
外出先で「ちょっとコーヒーを」と思って、カフェチェーンに立ち寄る人も多いのでは。ファストフードやコンビニでも気軽にコーヒーを飲むことができるようになったが、その味に違いはあるのか。味を分析できる機械を使って調べたところ、意外な事実が……。
- 競合店ができても、ドトールの売り上げがあっさり元に戻るワケ
コーヒー業界が熾烈な競争を極めている。喫茶店、ファミリーレストラン、コーヒーチェーン、コンビニ、サードウェーブなど、さまざまな業界が参入しているが、そんな中で堅調な売り上げを伸ばしているコーヒーチェーンがある。ドトールだ。
- 喫茶室ルノアールにあって、スターバックスにないもの
東京に住んでいる人であれば、誰もが目にしたことがある喫茶室「ルノアール」。スタバなどの欧米スタイルのカフェに押され、「残念な喫茶店」になっているかと思いきや、業績はまずまず。決しておしゃれではない「ルノアール」は、なぜお客から支持されているのだろうか?
- 「決して安くない」のに、なぜ成城石井で買ってしまうのか?
総合スーパーが苦戦している中で、業績好調の企業がある。都市部を中心に展開する成城石井だ。店内には珍しい商品がズラリと並んでいるが、なぜそのような品ぞろえができるのか。『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』の著者・上阪徹氏によると……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.