具体的な取り組みとしては、日常生活での危険なサージ血圧を検出し、データをサーバへ転送。リアルタイムでイベントリスクを予測し、イベントの予兆を医師や患者にアラートとして通知。分析した結果は医師と患者で共有して、イベント発症を水際で阻止する環境を目指すことになる。
「治療についても、現時点では、早朝血圧コントロールを行えるステップにあるが、夜間の連続血圧測定により、睡眠時の血圧コントロールが可能になる。次のステップでは日中の血圧変動コントロールが可能になる。薬を投与するタイミングや睡眠時における治療、季節や時間、温度変化に対応した室温の設定などにも反映させることで、イベントゼロの実現につなげていく」(苅尾氏)
実は、オムロンヘルスケアが開発したプロトタイプを活用して、2016年3月から、夜間睡眠中に、連続血圧測定を行う臨床研究がスタートしている。現在、8人の被験者を対象にデータを収集したところ、これまで捉えることができなかった急激な血圧変動を確認。新たなパターンや頻度を把握することができたという。
一拍ごとの血圧変動情報を取得することによって、睡眠時の無呼吸状態には100を切る血圧であったものが、そこからいびきをかき始めると、最大で血圧が190まで上昇するという結果が分かった。睡眠中にも急激な血圧変化が見られていることが確認できたのだ。
このように、連続血圧測定技術を活用することで、イベントに大きく影響する血圧変動を捉え、患者一人一人が抱えるリスクを軽減できるようになるというわけだ。
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