「また飛行機が遅れているよ。大切な商談があるのに、困ったなあ」――。このような経験をしたことがある人も多いのでは。到着地の手前までは順調に飛んでいたので「今回は大丈夫だろう」と思っていたら、空港が混んでいるので飛行機は上空で旋回。空の上で着陸を待つことになり、結局到着時間が遅れてしまった……というケースも少なくない。
ひとつの便が遅れてしまうと、その折り返し便も遅れがちになるので、「電車やバスに比べて、飛行機はよく遅れる」といった印象をもっている人も多いだろう。しかし、である。米国のとある企業が発表した「定時到着率ランキング」(※)をみると、JALがトップ。定時到着率とは「遅延15分未満に到着した比率」のことで、トップのJALは89.4%。
見方を変えると、定時に到着していない便は、運航全体の1割ほどしかないのだ。イメージというものは怖い。
「定時到着率がトップ? たまたまじゃないの?」と思われたかもしれないが、2015年は対象となる3部門すべてで世界一。また、主要部門(メジャーインターナショナルエアライン部門)をみると、過去7年間で5度の世界一を手にしていたのだ。
定時到着率をアップさせるために、JALはどんなことをしているのか。「みなさーん、急いでくださーい」といった言葉を連呼しているかと思いきや、「時間短縮を求めているのではなく、効率アップにチカラを入れています」(同社広報)とのこと。どういう意味か。取材を進めていくと、遅延発生の原因を分析していることが明らかに。それだけではない。季節ごとにどのような傾向があるのか、路線ごとに違いはあるのか、などさまざまなパターンを調査していたのだ。
そこで、気になるのが分析結果である。飛行機を定時運航させるために、さまざまな角度から分析をしている矢嵜敬太さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。
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