インタビュー
» 2016年04月27日 08時00分 UPDATE

水曜インタビュー劇場(1分1秒公演):なぜJALの飛行機は“遅れにくい”のか 定時到着率1位の裏側 (4/6)

[土肥義則,ITmedia]

ペットが原因で遅れることも

矢嵜: 901便だけに限らず、羽田発―那覇着は全体的に遅れがち。さまざまな要因があるのですが、そのひとつがペット。ペットをお預かりするケースが多いのですが、年末年始の繁忙期には、羽田空港だけで1日に300件ほどお預かりすることも。

 チェックインカウンターでペットをお預かりするわけですが、そのときに犬や猫などの体調管理のほかに、お金をいただいたりするので、どうしても時間がかかってしまう。そこで終わりではありません。お預かりしたペットは、飛行機の後方に「バルクルーム」と呼ばれる貨物室があって、そこに乗せなければいけません。その作業に時間がかかるんですよね。例えば、ペットが入っているケースが揺れないように、ひもで固定しなければいけません。

 飛行機にお客さまが全員乗られて、キャビンのドアを閉めたとしても、貨物のドアが閉まっていなくて遅れるケースもよくあるんです。ペットをお預かりして遅れることは理解できるのですが、なぜ遅れるのか調べてみたんですよ。搭載の責任者に話を聞いたところ「その便にペットを何件乗せなければいけないのか」は、飛行機にペットが運ばれてくるまで分からなかったんですよね。

土肥: 飛行機の近くで作業をしていて、いきなり「犬3匹、猫2匹、ウサギ1羽」が運ばれてきて、そこで初めて知る。「これは大変、急がなきゃ」といった感じで。

矢嵜: はい。ペットを見てから作業をしていました。でも、その便にどのくらいのペットを乗せなければいけないのか、といったことが分かっていれば、事前の準備ができますよね。「犬3匹、猫2匹、ウサギ1羽」ということであれば、その前にあれをしてこれをして……といった具合に。

 事前に情報が分かっていれば、作業を効率的に進めることができるのではないか。といった仮説を立てて、出発30分前に担当者にペットの数を報告するようにしました。結果、ペットを乗せるのに時間がかかってしまい……というケースが大幅に減少しました。

土肥: ちょっとした工夫で改善されたわけですね。ただ、なぜもっと早くそれをやらなかったのでしょうか?

矢嵜: ご指摘のとおり、なぜ事前に情報を伝えることができていなかったのか。会社にいればいるほど、こうやればもっと効率的になるのに……といった当たり前のことがなかなか気づきにくくなるのかもしれません。まだまだ改善しなければいけないことはたくさんあるはずなので、周囲からバカにされようが、現場に何度も足を運んで、「おかしいなあ。こうすればいいのでは?」といった提案をしていかなければいけません。

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