また、車内に乗車しているユーザーに向けて音波ビーコンでそれぞれのユーザーに適した情報――例えば乗車している車両から最も近い階段や、降車駅で行われているイベント情報など――を適宜発信することが可能である。
この実運用に至るまで、JR東日本では2度の実証実験を行っている。1回目は車両にサーバを積んで、Wi-Fiも備え付けた。ユーザーはWi-Fiでそのサーバとアクセスすることでさまざまな情報を取得できるようにした。ところが、その間にはインターネットにアクセスできないという問題がすぐに発覚した。2回目の実験では、地上のシステムとアクセスするよう改善を図ったが、データ通信速度が遅くて、乗車しているユーザーの位置情報がなかなか自動的に切り替わらなかったという。そこでシステムをチューニングし、現在の形に仕上げたという。
「今まで列車の位置情報や室温などをリアルタイムで情報発信するものはほかになかった。実証実験段階から利用者は好意的で、顧客サービスの向上につながっているといえよう」と中川氏は胸を張る。ゆくゆくは対応する路線の数をさらに増やしていきたいという。
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