飛行機に“最後に乗る”のはどんな人か 羽田空港を分析水曜インタビュー劇場(1分1秒公演)(5/6 ページ)

» 2016年05月11日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

毎月、200人も乗り遅れる

土肥: 最後に乗るのは、働き盛りのビジネスパーソンが多いようですね。あと、手荷物を預けていない人が多いということは、頻繁に飛行機を利用しているのかもしれません。「羽田から大阪に日帰り出張」といった感じで。あと、乗り慣れている人はゆっくり搭乗する傾向があるのかもしれません。

矢嵜: ですね。

土肥: 乗り慣れていない人は不安な気持ち、子どもを連れている人は落ちつきたい気持ち、などがあって少しでも早く飛行機に乗りたいのかもしれません。

矢嵜: 伊丹空港を観察したことがあるのですが、搭乗開始30分ほど前から、優先搭乗ができる人たちがずらーっと並んでいるんですよ。

土肥: 早すぎるでしょ(笑)。

矢嵜: なぜ30分も前から並んでいるのか。伊丹空港のラウンジは狭いんですよね。満席状態のことが多いので、席に座るのが難しい。「ラウンジを利用したいのにできない。であれば早く飛行機に乗ろう」となって、30分ほど前から待たれているのでしょう。

 毎月、遅延分析をしているのですが、羽田空港の場合、「いない人を探していたので遅れてしまった」というケースが圧倒的に多いんです。全体の6割に達しています。羽田空港は広くて、人も多くて、探すのがものすごく大変。結果的に、探し出すことができずに遅れるケースが多いですね。ちなみに、羽田空港でJALの国内線を利用されていて「乗り遅れた」という人は、月に200人くらいいるんですよ。

土肥: そ、そんなにいるんですか!?

矢嵜: 多いですよね。毎月200人ほどが乗り遅れるということは、もうJALだけで解決できない問題かもしれません。航空会社1社だけで解決するのではなく、空港全体で考えなければいけないのかもしれません。

土肥: 例えば?

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