高橋利幸が「高橋名人」になった日高橋名人が語る(3/7 ページ)

» 2016年05月25日 08時00分 公開
[高橋名人ITmedia]

 それぞれのステージをクリアするには、先に発売されたロードランナーとは違った、それ以上のテクニックが必要であること。また、今までは敵であったロボットも、逆にこのロボットの動作ロジックを利用しなければクリアできないステージもあることなどを説明していくことにしたのです。

 しかし、クリアする方法を紹介するだけではつまらない。せっかくゲームを見に来てくれるのなら、「自分たちも練習すればクリアできるのではないか?」と思わせたかった。それとは別に、「ファミコンって面白い」と思ってもらいたいとも思ったのです。

 私自身、わりと口下手で恥ずかしがり屋なのですが、そういう人間に限って、開き直れば強くなれるのです。そう自分に言い聞かせて、ステージに臨みました。

 おかげでステージは大成功を収めました。また、そのステージ後に残った200〜300人の子どもたちが、私にサインを求めてくるという、思ってもみなかったことが起きたのです。

1986年当時、子どもたちに配っていた名刺。名人のイラストが入っているのが裏面 1986年当時、子どもたちに配っていた名刺。名人のイラストが入っているのが裏面

 当然、このイベントはハドソンの役員全員が見に来ており、終了後にコロコロ編集部と一緒に打ち上げを行いました。その場で役員の誰かが、「これを全国でやると面白いのではないか?」という一言で、その年の夏休みの全国イベントが決定したのです。

 それが、後に「TDK 全国キャラバンファミコン大会」となったのです。

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