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» 2016年07月05日 08時00分 公開

セブンのドミナント戦略が、沖縄では通用しない理由スピン経済の歩き方(4/6 ページ)

[窪田順生,ITmedia]

沖縄のドミナント戦略

沖縄では「楽天Edy」の普及率が高い

 沖縄県民から圧倒的な支持をうけるポイントを、リウボウグループとしても活用しないわけがない。昨年5月から百貨店「リウボウ」、スーパー「リウボウストア」などのグループ全店でTポイントの付与を開始した。

 サンエーもしかりだ。もともとサンエーグループには、スーパーだけではなくフランチャイズ店舗でポイントが貯められる「サンエーカード」というものがあり、県内では100万人にも届くかという高い保有率を誇っていたのだが、そこへさらに昨年11月から、「楽天Edy」のポイントも貯まる「サンエーEdyカード」としてリニューアルを果たしている。

 「楽天Edy」はTポイントカード同様に沖縄の普及率は他都道府県と比較してずば抜けて高いからだ。背景には、ANAと提携したマイル付与で利用客を伸ばしたということがあるらしい。いずれにせよ、人気電子マネーの機能を加えたことで、鬼に金棒。「サンエーファミリー」の顧客拡大が期待されているのだ。

 つまり、「沖縄流ドミナント戦略」というのは、沖縄県民の生活に欠かすことのできない「ポイントカード」を武器に、百貨店、スーパー、コンビニはもちろん、レストラン、家電量販店、ドラッグストア、TSUTAYAなどさまざまな接点を利用し、商圏内の顧客を囲い込んでいくことでもあるのだ。

 もし仮にセブン-イレブンが沖縄県内に一気に100店オープンをしたところで、この「ポイントカード商圏」を切り崩すことは至難の業だろう。

 沖縄にはセブン-イレブンはおろか、グループ企業はまったく出店していない。イトーヨーカドーの最西端は広島。デニーズも兵庫から西には出店していない。だから沖縄の人に、「nanacoでポイント2倍」とか言っても、「ハア?」という感じなのだ。

 こういう周回遅れの状況にも関わらず、大物気取りで沖縄入りをしても、最初は「本土のコンビニ」というもの珍しさで客が集まっても、地元のコンビニとして根付くことなく、苦しい戦いを強いられるのではないかと思う。

 過去にそういう前例もあるからだ。

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