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» 2016年07月05日 08時00分 公開

セブンのドミナント戦略が、沖縄では通用しない理由スピン経済の歩き方(5/6 ページ)

[窪田順生,ITmedia]

沖縄で成功するには

 実は今でこそサンエーと組んで「沖縄のコンビニ」という顔をしているローソンだが、20年前はバリバリの本土のコンビニだった。1997年、当時の中内功社長は沖縄に一挙に20店舗を出店。記念パーティーではこのように誇らしげに語った。

 「ローソンはついに全国制覇を達成しました」

 20店舗の中には、地元コンビニのオーナーを口説き落としたものもある。「一日の売り上げが前のチェーンに加盟していた時の二倍に増えた」(日本経済新聞1997年8月20日)と最初はみなホクホクだった。

 だが、「本土のコンビニ」はなかなかファミマに勝てなかった。リウボウグループのネットワークとノウハウを駆使して、沖縄独自の商品開発、品ぞろえを行う「沖縄ファミマ」は沖縄県民の生活にごく自然に溶け込んで、順調に成長していたからだ。

 そんな劣勢に立たされたローソンにようやく反撃の兆しがでたのが2009年。サンエーと業務提携をしたところ、売上高が目に見えて大きく伸びたのだ。これを受けて、ローソンはサンエーと共同出資会社「ローソン沖縄」を設立。それまで行っていたセブン-イレブンのような中央集権型から、地方自治型に移行したのである。

 本土のコンビニから沖縄のコンビニに生まれ変わった際、当時の新浪剛史ローソン社長はこのように述べた。

 『サンエーの経営指導を仰ぎながら「沖縄化」したローソンをつくる』(日本経済新聞2009年9月29日)

 つまり、「沖縄のコンビニをセブン-イレブン化する」という「上から目線」の考え方では明るい未来が待っていないというのは、歴史が証明しているのだ。

 自前のポイントカードもない、流通拠点もグループ企業もないという、ないないずくしのセブン-イレブンが沖縄で成功するには、新浪さんのおっしゃる「沖縄化」しかない。それはセブン自身もよく分かっているはずだ。

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