土肥: 中国と日本の工場とでは、どのような違いがあるのでしょうか?
野澤: 日本のお弁当と比べて、中国では3分の1ほどの価格で提供しなければいけません。嗜好品にはお金をかけるのですが、お弁当やおにぎりなどにはあまりお金をかけません。となると、手ごろな価格でボリュームがあって、おいしいモノを提供しなければいけません。
では、どうしているのか。日本の場合、メーカーが食材をカットして、味付けをして、商品を工場に納入しています。日本の工場は、それを焼くだけ、煮るだけ、盛り付けるだけといったケースが多い。しかし、こちらは違う。価格を抑えなければいけないので、原材料をそのまま仕入れているんです。例えば、キャベツを仕入れたら、きちんと洗って、カットして、焼いたり、煮たり、盛り付けたりしなければいけません。
日本の場合、調味料も用意してくれるんですよね。例えば、ある食材を炒める場合、そこに指定された調味料を入れると、完成といった感じ。中国では、砂糖、塩、醤油などイチから配合して、調味料をつくらなければいけません。そうすることによってコストを抑えることができ、お客さんに手ごろな商品を提供することができるんですよね。
土肥: 工場の中をみると、確かに従業員がモヤシを洗っていたり、ニンジンをカットしたり、鶏肉を揚げていたりしていますね。でも、手作業の工程が多かったら、人件費の負担が増すのでは?
周: 工場スタート時の従業員は200人ほど。当時、上海にあるローソンは180店ほどでしたが、現在は500店を超えています。生産量は増えても、現在の従業員は250人ほど。機械化できる部分はできるだけ機械を導入して、コストの削減を図っています。
土肥: 日本のように調理された食材を仕入れるよりも、原材料を購入して、工場でトントンと切っているほうが安くつくのですか?
周: はい。日本と違って、こちらでは手作業でやるほうが、コストを抑えることができるんですよね。
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