異物は? 入っていません! ローソンの中国工場に潜入してきた水曜インタビュー劇場(上海公演)(7/8 ページ)

» 2016年08月03日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

手巻きずしが売れなかった

お弁当の平均単価は日本に比べて安い

野澤: お弁当の平均単価は13元、日本円にして200円ほど。安いですよね? なんとか高級なお弁当として20元(315円ほど)のモノを発売したことがあるのですが、なかなか売れません。コンビニを利用されるお客さんは「買ってすぐ食べたい」というニーズが強い。「買ってすぐ食べたいので、高級なモノでなくていい」という考えが強い。というわけで、なかなか高級なお弁当が定着しません。

土肥: でも、中国って物価が上がっているんですよね。そうすると、自然にお弁当の価格も上がっていきそうな。

野澤: 物価が上昇しているので、コンビニでも値上げをしている商品が多いですね。ただ、高級なお弁当は定着していません。

土肥: 難しいですねえ。商品開発のときに「これは絶対に売れる!」と思っていたのに、実際に売れなかったモノってありますか?

野澤: ここ数年、長い棒のような形をしたおにぎりがよく売れているんですよね。ということは、「日本でも販売している『手巻きずし』が売れるはず」と思ったんです。でも、全く売れませんでした。

土肥: (長い棒の形をしたおにぎりを食べる)うん、鶏肉をマヨネーズであえていて、おいしい。

野澤: でも、手巻きずしはダメでした。なぜか。ボリュームが少ないんですよね。

土肥: 確かに、この棒状のおにぎりは重い。先ほどの話と同じで、ボリュームが足りないのですね。

野澤: あと、手巻きずしってちょっと面倒ですよね。フィルムを開けて、のりを引き出して、そののりを下にしてごはんをコロンと巻かなければいけません。

土肥: 言われてみると、慣れていなければ難しいかも。

野澤: 日本で売れているモノをベースにして、こちらの人の口に合うようにアレンジをしているのですが、正解がまだ見つかりません。今後も「これはどうだろう? 現地の人の口に合うかな?」と試行錯誤を繰り返さなければいけません。

上海にあるローソン

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