「タフじゃなければコンビニ経営はできない。優しくなければコンビニを経営する資格がない」……だけど、タフであり続けることも、優しくあり続けることも、簡単ではない。
ほとんどの人が一度は利用したことがある「コンビニ」。ニュースやデータからコンビニで何が起きているのかを、推理して、調査して報告します。筆者は大手コンビニの元本部社員、元コンビニオーナー。コンビニの表と裏を見てきた者だけにしか書けないコラムはいかがですか?
7月26日、神奈川県相模原市にある障がい者用の施設で、死者19人負傷者26人という殺傷事件が起きた。報道によると、この凄惨(せいさん)な事件の後、犯人は事件後にコンビニに立ち寄り、血の付いた紙幣で代金を支払ったという。
読者の多くは「血の付いた紙幣で支払った……って、店員はどう対応したの?」「コンビニから通報したのかなあ」と思ったのではないだろうか。当然、コンビニの店員はこんな事件が起きているなど知る由もない。筆者も、犯人が来店したときに店員がどういった対応をしたのか、気になるところではある。
事件性の有無にかかわらず、コンビニにはいろいろなお客さんが来店する。今回は、筆者が出会ったチョット困ったお客さんたちを紹介しよう。
毎年10月31日に行われるハロウィーンならともかく、お祭りでも何でもないときに妙なかっこうで来店するお客さんがいる。
マジックでおでこに「肉」と書いた人や、できそこないの「猫型ロボット」のような人たち――当人は人を笑わせたいのかもしれないが、コンビニの店員は「お客さんを笑う」ことに慣れていない。いや、そもそも客商売をしている身として「笑って」はいけない。仮に、店内で滑って転んだお客さんを笑ったりしたら大変なことになる。というわけで、お客さんが笑ってほしいと思っているのか、それとも偶然なのかが分からない状況で笑うのはトラブルのもとだと、いつも頭の片隅に置いている。
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