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» 2016年08月24日 05時30分 公開

「プロフェッショナルな仕事」とは何か「売れる商品」の原動力(4/5 ページ)

[井尻雄久,ITmedia]

期待以上のサプライズを

 “プロフェッショナルの仕事”ということで、もう一つ強調しておきたいのは、プロの仕事とは“期待以上のサプライズ”でなければならないということです。人がなにがしかの仕事に対して満足するには、そこで支払われた対価以上の“喜び”を受け取って初めて満足するのだと思います。

 会社には3つの種類の人がいるとよく言われます。「いてもらいたい人」「いてもいなくてもいい人」「いないほうがいい人」です。1万円の報酬に対して見合うだけの仕事ができなければ、その人は会社に損害をもたらしているわけですから「いないほうがいい人」になります。しかし、1万円分の仕事をしたとしても、それは同じようにできるほかの誰かでもいいわけで「いてもいなくてもいい人」の域を出ません。その会社にとって「いてもらいたい人」とは、支払った報酬以上の満足をもたらしてくれる人ということになります。

 これは、会社と会社の取引きでも同じでしょうし、会社が消費者にモノやサービスを提供することについても同じはずです。やはり「お客さまが100円を払ってくれるのであれば、200円の価値を提供していこう」という思いは必要だろうと思うのです。

 不思議なことに、会社によっては“身の丈でいい”という発想のところがあります。100円の商品は100円に見えないといけないとか、300円の商品は300円程度の機能でなければならないと考えているのです。あるいは、300円のモノが300円以上に見えてしまったら、消費者を欺いてしまうとマジメに考えているのかもしれません。

 例えて言うと、300円の商品だとしたら、見た目は400円くらいで、食べてみたら500円の価値があったというのが一番いいのではないでしょうか。それは何も“高く見せる”ことが目的ではありません。世の中を見渡していると、なぜこんなに“安っぽい”モノがこんなに高い値段なんだろうとガッカリすることが多々あります。だからこそ、お客さまが払った金額以上の喜びを得られるバリューを作り出していこうという発想が必要だと思うのです。

 相手に期待以上のサプライズを与えるというのは、結局は“小さなこと”に手を抜かないことから生まれるものだと思います。「神は細部に宿る」です。一流のホテルや飲食店で、私たちが思わずうなるのは、立派な建物や高価な調度品ではなく、見落としてもおかしくないほど細部にまで込められた丁寧な仕事や、どこまでも客の目線に立った心の配り方だったりするわけです。

 「ブランディング」とは、売れるために付加価値をつけるとか、実態以上によいイメージをつけるというようなことではありません。提供する側がお客さまにどんな喜びを届けたいのかという“情熱”であり“意志”そのものなのです。

「ブランディング」とは“情熱”であり“意志”そのもの(写真と本文は関係ありません)

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