(5)の「誰に喜んでもらいたいのか」。日本社会にはさまざまな課題があり、その一つとしてセブン‐イレブンが着目していたのが“女性の働きにくさ”でした。仕事を持つ忙しい女性たちを支える基盤や環境が、日本ではまだまだ足りていません。
セブンゴールドの場合は、例えば“忙しいお母さん”です。しかも、それは仕事を持っていて忙しいけれども、家族の食卓は少しでも豊かでありたいと考えている女性たちに、あえて焦点を置きました。
では、その“忙しいお母さん”たちに、どのように喜んでもらいたいのか。それは家庭で楽しめるちょっとしたぜいたくです。外食に出かけたり、十分な時間をとって料理をしたりということが叶わない日でも、少しでもおいしいものを食卓に並べたいという気持ちに応えること。これが(6)の「情緒的価値」になります。
そのためには、お客さまとセブン‐イレブンがどのような関係性になればいいのか。日本国内で1万8000を超す同社の店舗は、そうした“忙しいお母さん”たちにとって、なによりも物理的に近い距離にあります。彼女たちにとって“なじみのご近所”のような関係になることが、セブン‐イレブンの新しい存在価値になるわけです。
コミュニケーション・メッセージとして掲げられた“日本のおいしい食卓へ。近くて便利、セブン‐イレブン”は、まさにセブン‐イレブンの考えるビジョンが、そのまま表現されています。
そして(3)のシンボル。こうした他の追随を許さないセブン‐イレブンの哲学と理念を、佐藤可士和氏による素晴らしいパッケージデザインとロゴマークで統一感を持って送り出しました。セブンプレミアム、セブンゴールド、セブンライフスタイルの、それぞれの印象的なロゴマークは、「ブランドビジョン」をセブン‐イレブンとお客さまとが共有するシンボルになっているのです。
ブランドは誰をどう喜ばせるのか
「ブランドビジョン」を構成する“7つの要素”とは
考えていることを「見える化」する
ブランド成長の源は「独自性」を磨くこと
ブランディングとは、お客さまと企業との「幸せな関係づくり」
会社は“何のため”にあるのか
あなた「らしさ」とは? このように聞かれてどう答えますか
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