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» 2016年09月14日 07時53分 公開

水曜インタビュー劇場(鉄道公演):『沿線格差』の著者に聞く、10年後に注目されそうな沿線・駅はココだ (4/7)

[土肥義則,ITmedia]

バス停には「拠点力」が乏しい

小川: 私も初めてその光景を見たときには「なぜ、タクシーが停車しているのか」意味がよく分かりませんでした。駅が使われていないので、人はほとんどいません。ですが、タクシーはお客さんを待っている。じーっと見ていると、お客さんが来るんですよね。どこからともなく。

土肥: なんと。鉄道は走っていないけれど、駅前にはタクシーが停まっていると思っているわけですね。

小川: また、ドライバーの携帯電話に連絡が入るんですよ。「ウチの家まで来てほしい」と。じゃあ、タクシー会社の駐車場で待っていればいいのでは? と思われるかもしれませんが、多くの人は「タクシーの乗り場=駅前」と意識しているのではないでしょうか。

土肥: ドライバーの携帯電話に連絡した人も「駅前に停車しているタクシーに連絡した」と思っているかもしれない。

小川: 拠点力のことを考えると、路面電車の駅とバスの停留所では明らかに違いがありますよね。駅前には人だけでなく、さまざまなコンテンツが集まっていますが、バス停でそのようなところってほとんどないですよね。先ほど「路面電車をバスにしたら?」といった意見がありましたが、駅ではなくバス停にしたら「拠点力」が失われて、その街の活力が失われていく可能性があるんですよね。

拠点力があるバス停は少ない(写真はイメージです)

土肥: ふむ。それにしてもなぜ鉄道の駅には拠点力があって、バスの停留所にはそのようなチカラがないのでしょうか?

小川: 道路って基本的に行政が開発していますよね。一方の鉄道にも税金が投入されていますが、基本的には事業会社が運営している。道路は道をつくれば基本的に終わりですが、鉄道は線路をひっぱれば終わり……ではないんです。鉄道会社は、その沿線を活性化させるために、駅前にビルを建てたり、マンションをつくったり、商業施設をオープンしたりします。そのようなこをして、人を集めなければいけません。人を集めることができなければ、鉄道を利用してくれませんからね。

新宿駅前にはさまざまなビルが建っている

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