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» 2016年11月03日 06時00分 UPDATE

赤坂8丁目発 スポーツ246:“ハンカチ王子”に再来年はあるのか (2/4)

[臼北信行,ITmedia]

誉めることで何とかがんばらせよう

 来年の2017年シーズンはプロ7年目を迎える。大卒のドラフト1位としてプロ入りしたことを考えれば今は、とうにチームの大黒柱に成長していなければならない。だが現状、かつて甲子園でしのぎを削った元駒大苫小牧エースの田中将大はニューヨーク・ヤンキースのエースになるなど同年代のライバルたちに大きく引き離された。いや、もうライバルのことを意識しているヒマなどない。そんな悠長な立場でないことは本人も痛切に感じ取っているはずだ。

 もともと類まれな能力があったわけではない。ルックスがよく、メディアから“ハンカチ王子”と無闇に持ち上げられたことも期待値を過剰に大きく高める要因につながった。高校、大学は「考えて投げる」ことで数々の秀逸な記録を残したが、残念ながらプロではそのメッキが剥がれ落ちた。

 斎藤本人も、いよいよ自分が限界に達しつつあることを感じ取っているのであろう。周囲に「来年もダメならば再来年はない」と、レギュラーシーズン終了直後から繰り返し口にしているという。ここまで斎藤が危機感を覚え、ハッキリと言い切ることは珍しい。それだけ追い込まれている証拠でもある。

 今季は毎年のごとく結果を残せなかったばかりか、グラウンド外でも出版社社長からの利益供与疑惑が向けられる“ポルシェ騒動”も発覚(関連記事)。チームは日本一に輝きながら、自らは大きな屈辱と疎外感を味わった。

 そして“ハンカチ王子”として持てはやされる時代も終わり、今季も投打の両面で大飛躍を遂げてチームの日本一に貢献した大谷翔平投手が後輩にも関わらず雲の上の存在になってしまった。栗山英樹監督が二刀流のスターに「彼は能力が高く、もっとできるはずだから」と手厳しい批評を論じているのに対し、斎藤にはどちらかというと優しく甘い言葉ばかりをメディアに述べていることも両者の差を大きく物語っている。指揮官はその理由を明言しないものの、これは言うならば大谷と逆で「もう能力が伸びることは難しいから、誉めることで何とかがんばらせよう」という姿勢の表れだからだ。

日本一に輝いた北海道日本ハムファイターズ(出典:北海道日本ハムファイターズのFacebookページ)

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