組織文化の「10原則」とは?企業はどうあるべきか(2/11 ページ)

» 2016年12月07日 11時45分 公開
[Strategy& ]
プライスウォーターハウスクーパース・ストラテジー株式会社

 標語のように目に見えるものに対して、要となる行動(他の行動の引き金となる反復的行為で、「はっきりと目に見えるもの」、「見えないもの」の両方がある)、考え方(広く共有される姿勢や信念だが、もっぱら目に見えないもののみ)。

 これらの中で、真の変化の最も強力な決定要因となるのは「行動」である。実際に人が何をするかは、人が何を言うかや何を信じているかよりもはるかに重要だ。そこで、自分が置かれた組織からより多くのプラスの影響を引き出すには、「最も重要な行動」を変化させる取り組みから始めるのが望ましい。そうすれば、マインドセットもおのずと変わっていくだろう。その積み重ねとして、変化した行動パターンや習慣がより良い結果を生むようになるだろう。

 文化を変えることがそれほどまでに難しいのであれば、なぜ私たちはわざわざそんなことに挑戦しなければならないのだろうか? それは現在の組織文化には、感情的活力や影響力の宝庫と言えるものがいくつか存在しているからである。そうした宝庫を活用するエグゼクティブは、戦略上、経営上の必須課題への対応を大きく加速させることができる。プラスの文化力と戦略的優先事項が協調すれば、企業は人々の感情からエネルギーを引き出すことができる。この方法が、企業の競争力の、あるいは、失った優位性を取り戻そうとする動きを加速させる。

 研究の結果、いくつかの具体的な文化的なアプローチを利用する企業、すなわち、非公式な感情も活用しつつ、行動に影響を与えようとする企業の方が、長続きする変化を実現できる確率が有意に高いことが判明している。Strategy&が2013年に行った、組織文化とチェンジマネジメントに関するグローバル調査では、文化的な要素を意図的に利用したと回答した企業のうち70%が、組織のプライドと感情的コミットメントにおいて持続可能な改善を達成したと述べている。これに対して、35%の企業が、てことして文化を利用することはなかったと回答した。

 結果を保証するような魔法の公式や輝かしいアルゴリズム、数値方程式などは存在しないが、世界で最も成功した企業を含む数多くの企業を数十年にわたって研究し観察してきた結果、いくつかの貴重な洞察を集めることができた。以下の原則を採用することにより、あなたの組織は、組織文化を展開し改善しながら財務上、オペレーション上の成功可能性を高めるやり方を習得することができるだろう。

組織文化を動機づける10原則 組織文化を動機づける10原則

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