キラキラアピールを疑え!ネーム、女子……(2/2 ページ)

» 2017年02月09日 07時46分 公開
[増沢隆太INSIGHT NOW!]
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キラキラ会社

 どうしてこんな中身のないアピールが出てくるのかといえば、それは会社側にも大き な責任があります。すべてではありませんが、会社自体がキラキラアピールをしていることは珍しくありません。もちろん会社案内ですから、ネガティブなことを正直すぎる表現で発信はできないでしょうが、「スタッフ全員、イキイキ、のびのび働く職場」とか「笑顔が絶えないアットホームな環境」のような表現はアルバイト求人媒体などで見かけます。

 さすがに昨今はブラック企業批判があるので、こういう表現の職場がヤバいという認識は広がってきたようです。それはリテラシーの進歩ですから良いことだと思います。そうであればぜひ実際の就職においても、自らの発信をしっかりリテラシーをもって臨んでほしいのです。「キラキラ輝く自分」みたいな表現は、結局ブラック職場を疑わせるキラキラコピーであることを。

 もっとも子供の名付けにおけるキラキラネームに代表される、嫌いな人から見れば異様な、好きな人から見ればファンシーなネーミングセンスをお持ちの人も一定割合でいる訳で、最後は好き好きという判断にはなります。しかし大事なのは「誰が判断するか」です。

自然淘汰

 キラキラネームにこれだけ批判があっても決して絶えずに存続しているということは、少なくともそれが良い、好きという人がいるからです。ここは誰が正しいかを競っても不毛で、どちらが通用し、どちらがそのうち淘汰(とうた)されるのかを自分で考えて自分の責任で実行するしかありません。

 就職なら単純です。「入社を決める人」の判断が最も上位だからです。普通であれば企業の人事責任者や社長など経営責任者の意思が最も優先されます。しかし中にはあまり学生に人気が無かったり、認知度が無い企業の場合は逆に学生の意思決定で入社が決まることもあります。決して企業だけが一方的に強い立場とはいえません。

 いずれにしても好き嫌いはさておき、キラキラアピールの問題点はここです。自分中心であることです。それを評価する、審査する、受け止める人が他人であるという観点が欠如していることが最大の問題なのです。キラキラネームもキラキラ自己アピールもそれ自体は好き好きで良いでしょう。しかし結局のところ、就職などの「他人」が介在する人生選択において、恐らく不利になるかもしれない視点を持っていなければ、結局損するのは当人(名付けられた子含む)になり、自然淘汰・適者生存となるのだと思います。(増沢隆太)

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