トランプはクビになるのか 「ロシアゲート」を解説世界を読み解くニュース・サロン(2/5 ページ)

» 2017年06月01日 07時17分 公開
[山田敏弘ITmedia]

主な登場人物は5人

 11月、トランプが大統領選に勝利する。するとすぐ後に、ロシアの非政府系通信社が「ロシアの外務次官が、ロシア側はトランプ陣営メンバーと連絡を続けている」と報じるが、トランプ陣営は「大統領選の間、陣営は外国の機関と連絡を取り合ったことはない」と主張していた。

 しかし、この時点までに、多くのトランプ関係者がロシアとの関係をもっていた。次の5人が主な登場人物である。

  • レックス・ティラーソン国務長官

 元エクソン・モービルのCEOであり、古くから石油関連でロシアとの関係は深く、2013年にはプーチンから「友好勲章」を授与されている。

  • ジェフ・セッションズ司法長官

 上院議員として選挙期間中にトランプのアドバイザーで、トランプ政権で司法長官に指名されることになる。

  • カーター・ペイジ

 ロシアの政府系石油会社など石油関連ビジネスでコンサルを務めていた時代にロシアの諜報部員(後に逮捕)と関係を築いていた。トランプの外交アドバイザーだった2016年には、モスクワでスピーチして米国の対ロシア経済制裁を批判していたことが後に判明。

  • ポール・マナフォート

 トランプ陣営の選挙対策本部長を務めたが、プーチンやプーチンの取り巻きなどロシアとの関係は深いとされ、ウクライナの親ロシア派からビジネスと主張する多額の支払いを受けるなどして問題視されている。

  • マイケル・フリン

 2013年にロシアの参謀本部情報総局(GRU)でレクチャーをするなどロシアと深くつながる。2015年には夕食会でプーチンの隣に座り、有料でスピーチを行なっている。トランプ政権では国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めることに。

 こうしたロシアがらみの動きを背景に、2017年になると事態は大きく動く。1月、元英国情報当局者を名乗る人物が2013年にロシアのホテルで撮影されたというトランプと売春婦の映像が存在すると記した文書の存在が明るみに出る。だがこの情報は少し前からメディアの間でも出回っており怪文書的な「怪しいもの」と扱われていた。もちろん、トランプは「偽情報」だと一蹴した。

 また米メディアは、ポール・マナフォートとカーター・ペイジなどが、ロシアとの関連で、FBIとCIA(米中央情報局)、NSA(米国家安全保障局)や財務省による捜査対象になっていると報じる。ちなみにこうした捜査には、当時録られた盗聴記録などが使われるため、基本的に言い逃れはできない。

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