特集
» 2017年06月29日 06時00分 公開

実践によるノウハウ提供:“痛み”を取るデジタル化提案 GEの戦略 (2/4)

[加納由希絵,ITmedia]

医療機器工場の取り組み

―なぜ自信を持って成果重視の提案ができるのですか。

 私たちは自社で実践し、効果が出ているからです。その事例もお客さんにお伝えすることができます。同じ製造業のプレーヤーとして、「私たちの工場はこういう形で取り組んで、こんな効果が出ました。どうですか?」と提案できるため、おそらく他の競争相手とは話の内容が違います。一般的なソフトウェアプロバイダーとは違って、自社がテストケースになっているのです。

―自社の事例とは? どのような取り組みをお客さんに紹介しているのですか。

 分かりやすい例は、東京都日野市にあるGEヘルスケア・ジャパンの工場です。医療機器の製造現場で実践している「ブリリアント・ファクトリー」という取り組みです。デジタルを使って、作業にかかる時間を見える化して改善を図ったり、データを一覧表示する機能を取り入れたりと、さまざまな取り組みをしています。

 具体的な例を挙げると、オペレーターの制服に発信機(ビーコン)が付いていて、工場内の動きが分かるようになっています。画面上でその動きを見ると、個人、あるいはチームとして、「こういう動きが多いな」などといった発見があります。製造ラインで作業する際に、取り付ける部品を何度も取りに行くような動きです。近くに置いた方が早いことが分かり、改善できます。

photo GEヘルスケア・ジャパンの日野工場(東京都日野市、GEジャパン提供)

―日本企業に提案しているソリューションはどのようなものですか。

 例えば、住宅設備メーカーのLIXILグループにPredixを導入しました。新築の家にバスタブなどを納める際、工事が必要になりますが、その施工人員の割り振りを自動化しています。「案外、大したものじゃない」と思われるかもしれません。しかし、家のサイズ、道路の幅、施工する技術者の状況、また、1階から入れられるか、2階から入れるならクレーンはどうするか……。さまざまな条件があることで、手配作業が煩雑になるのです。属人的になっていたこの作業を自動化することで、効率化しました。これは、GEの本来の事業とは全く異なる分野に、私たちが持っているスケジューリングの専門性などを提供できたという事例です。

 また、これは私たちにもなじみがある分野のソリューションですが、東京電力フュエル&パワーの発電機のデータをPredixのクラウドで管理することで、メンテナンスを最適化しています。エンジニアやメンテナンス担当者に、どのタイミングでメンテナンスをすると最も効率がいいか、という情報を伝えることができます。以前は、何週間に1回、あるいは異常が起きてからメンテナンス、という流れだったかもしれませんが、最適のタイミングでメンテナンスすることによって、ダウンタイムを減らすことができました。

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