特集
» 2017年06月29日 06時00分 公開

実践によるノウハウ提供:“痛み”を取るデジタル化提案 GEの戦略 (3/4)

[加納由希絵,ITmedia]

日本企業には“改善”の文化がある

―日本企業のデジタル化について、どう見ていますか。

 日本は“改善”に対する意識と文化が根底にあるように感じます。整理整頓を日常生活でやっているし、電車に乗るときもちゃんと並んで乗車しています。そのような文化には、DXの考え方がフィットするのではないかと強く思っています。あとは、どうやって意識を高めて、理解していくか。それから、既存のシステムの契約期間などもあり、「ごめんなさい、2年契約なので今はできません」という返事をいただく企業もあります。ですから、一概に日本企業の現状はどうか、とコメントをするのは望ましくないと思います。

 しかし、1つ言えるのは、改善したいという意思で取り組んで、気付きがあって、やり方を変える、ということに対して、日本の製造業はなじみがあると感じています。

―デジタル化に必要な視点は何だと思いますか。

 まず、何のためにやっているかという明確な目的がないと、迷子になってしまう可能性があると思います。私たちが常に念頭に置いているのは、製品を作って提供するというプロセスの中で、何らかの理由でその価値が著しく低下している場合に、それを解決し、さらに良い成果を出すということです。

 例えば、不良品が多いという課題に対して、工場のボイラーの温度が冬に0.5%下がると不良品が増えるというデータを提示できたとします。100円で売れる正規品が不良品になると20円でしか売れないとすると、ボイラーの温度を一定に保つ費用が10円だったら、70円は単純な利益ですよね。その70円のうち、いくらか私たちにください、という感じでソリューションを提案しています。効率化することで利益を生み出すという、明確な目的が必要です。

 次に、トップリーダーからミドルマネジメントまでのコミットメントが必要です。「われわれは変わる必要があるんだ。なぜなら、こういうことです」といった共通認識を持たなくてはいけません。そして、最先端のテクノロジーを使うこと。リテラシーがあるチームの体制を作らないとたぶん難しいと思います。

―ある程度リテラシーが必要なんですね。GEに依頼して、丸投げすることはできないのですか。

 丸投げはできません。DXはアウトソースできないのです。自分でやらなければいけないものであって、私たちが情報を共有したり、プロセスを支援したりすることはありますが、やっぱり自分でやらないと。GEが去ったときに、元に戻ってしまってはいけません。

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