どうなるのか 巨人、山口俊投手の不祥事赤坂8丁目発 スポーツ246(2/3 ページ)

» 2017年07月20日 09時27分 公開
[臼北信行ITmedia]

最後は「奥の手」を使うのか

 山口の蛮行は重大な裏切り行為であり、もはやプロ失格である。プロ野球選手はファンに夢を与えるのが仕事のはず。それが酩酊状態のままで病院の器物を損壊した挙句、見ず知らずの他人に重傷まで負わせているのだ。

 警察の捜査が進められているような被疑者がファンに夢など与えられるはずもなく、山口はもう二度とマウンドへ上がる資格はない。しかも狡猾(こうかつ)な隠ぺい行為まで働いている。弁明の余地などない。

 重傷を負わせた警備員や病院側と和解できれば、逮捕や起訴にまで発展する可能性は限りなく低くなる。そういう意味でも、水面下で巨人側は何とか病院側と警備員を丸め込もうと最後は「奥の手」を使って許しを請おうとするかもしれない。示談金だ。実際に巨人では以前も、このようなことがあった。

 2014年10月、澤村拓一投手が六本木のクラブで20代の男性に「何をジロジロ見てんだよ」などと突然因縁をつけ“掌底(しょうてい)”で相手を負傷させる事件を引き起こした。明るみに出る前に球団側が、警察に被害届を出していた男性と密かに接触し、示談金を用意するなどして何とか和解が成立。被害届を取り下げさせ、表沙汰にはならないはずだった。ところがその後、この騒動が『週刊文春』によってスッパ抜かれ、あっと言う間に公に広まってしまった。

 事情通は、こう打ち明ける。

 「澤村の件に関しては一連の報道と真相が違うところがいくつかある。これだけひどい事件にもかかわらず、球団側が被害者の男性に用意した示談金の額は一説によると『30〜40万円程度』だったらしい。こんなメチャクチャなことを一方的にされたのだからもっと払ってもらっていいような気がするが、この男性が大人しくモノを言わないタイプだったので足元を見られた感もある。

 当時、被害者の男性は銀座で美容院のスタッフとして働いていた。カネに困っていたわけではないので、澤村をしっかりと管理できなかった球団側がちゃんとした謝意を示せばそれで終わるはずだった。ところが巨人側の命を受けてやって来た担当者の“上から目線”の対応に驚いた男性は、『こんなに現実離れした態度の大きい人たちと関わっていたら、自分がおかしくなってしまう』『ここでカネを受け取ったら、逆に何をされるか分からない』などと思い込み、結局この示談金は受け取らず話を終わらせようとした。にもかかわらず、担当者は男性に『この一件について他人には口外しない』という主旨の覚書にサインを求めたとか」

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