働かない松坂と契約延長しても、球団が一儲けできる背景赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

» 2017年08月11日 08時20分 公開
[臼北信行ITmedia]
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ソフトバンクのしたたかな戦略

 最後にホークスがこの期に及んでも松坂を抱え込む理由として「将来のビジョンがある」ことをご紹介したい。まず間違いなく松坂の現役生活は長くないであろうが、終止符が打たれた後には指導者として各球団からオファーが舞い込むことは必至だ。その事態を想定し、ホークスはあらかじめ今の松坂に恩を売って“ツバ”を付けておきたいという考えもあるようだ。

 「将来的に大輔はコーチや監督になるべき逸材。過去の実績はもちろんのこと、ネームバリューも申し分ない。ホークスで指導者になれば、親会社のソフトバンクにとってもあらゆる面ですさまじい経済効果がうまれる。だから今、大輔の面倒をしっかりと見ておくことが大事だ」(前出の球団フロントの関係者)

 一見すると不可解に思える「松坂囲い込み」には、ソフトバンクと球団のしたたかな戦略が見え隠れする。

臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:

 国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。

 野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2017年第4回まで全大会)やサッカーW杯(1998年フランス、2002年日韓共催、2006年ドイツ、2010年南アフリカ、2016年ブラジル)、五輪(2004年アテネ、2008年北京、2017年リオ)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。


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