はなをりでは、杉乃井ホテルの実績に加え、新築という強みを生かしてハード面でも工夫を凝らした。それがロビーに隣接する水盤テラスと足湯カウンターである。これはチェックイン、チェックアウト時の待ち時間などに顧客がくつろげる場所という機能的な意味合いがある一方で、同旅館の象徴的な撮影スポットにしたいという狙いもある。
同旅館がメインターゲットにするのは女性客であり、特に若い女性は写真を撮ってInstagramなどのSNSに投稿するのが習慣化している。それがSNSで拡散して施設の認知度が高まり、集客につながることは十分にあるという。「この光景はSNSにアップしたいという女性の気持ちをくみ取った仕掛けを作るというのは、最初の基本構想からありました」と森氏は明かす。
さらには、これまでにない施策として、将来的にはIoT(モノのインターネット)を使った旅館内の混雑状況の可視化もしていきたいという。「客室や館内に設置したモニタでお風呂やレストランの混雑状況がリアルタイムで把握できれば、お客さまをお待たせすることなく案内することが可能になるでしょう」と森氏は展望を語る。
紅葉シーズンである11月の箱根は、年間を通じて最も観光客が訪れる。競合がひしめき合うこのエリアにおいて、はなをりの存在感をいかに発揮できるか注目したい。
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