――日本の金融業界をどのように見ていますか。日本の金融機関とSymphonyに親和性はありますか。
日本の金融機関の業務は大きく3つに分かれると考えています。1つは国際的な業務。大手金融機関が海外支店で行う業務です。日本と情報をやりとりする必要があるため、Symphonyのサービスがうまく活用されると思います。
2つ目が国内ビジネス。国内の法人業務に関する情報伝達に活用してもらうためには、ローカライズが必要になります。言語に加え、日本のビジネス作法に合うようにするためです。そのためには投資が必要です。
3つ目はカスタマーサービス。資金調達などの情報を顧客とやりとりする業務です。これに対応するシステムはまだありません。
――日本の事業展開に関して、目標はありますか。
向こう5年で、日本のトップクラスの金融機関において、60〜70%のシェアを取りたいと考えています。
既存のシステムからシェアを奪うというわけではなく、これまでにない新しいツールとして提供していきます。現場にとっては、仕事のやり方や習慣を変えることになるため、時間はかかると思います。まずは認知度を上げていくことが課題です。
ただ、金融業界は競争のプレッシャーにさらされているため、「イノベーションが必要」という、けん引力が働くのではないかと期待しています。新しいテクノロジーにはリスクがありますが、うまくリスクをとって成功できれば、それが国際競争力を高める優位性になります。それがシンフォニーの成長エンジンにもなるのです。
――今後、金融以外の分野にも事業展開する計画はありますか。
金融サービスから事業を展開してきたのは、あらゆる業界と関わるハブだからです。その周辺には、保険や会計監査、医療、製薬など、金融と同様に情報が重要な業界もあります。高いセキュリティが必要で、厳しい法規制の対象になっている、そういった業界で強みを生かせると考えています。
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