有機ELメーカーJOLED、量産に向け約1000億円増資か製造コスト3〜4割減

» 2017年10月04日 11時45分 公開
[ITmedia]

 ジャパンディスプレイ(JDI)グループのJOLED(東京都千代田区)が、有機ELを低コストで量産する技術に開発のめどが立ったため、実用化に向けて資金調達をする方針を固めたと一部報道機関が10月4日報じた。

photo JOLEDの公式サイト

 同日付の日本経済新聞によると、2019年の量産開始に向け、約1000億円の獲得を目指しているという。既にソニー、キヤノン、富士フイルムなど国内大手数十社を対象に、1社当たり50〜100億円の出資を打診しているという。

 同紙によると、開発のめどが立ったのは「印刷方式」と呼ぶ手法で、発光材料をパネル上に塗布し、印刷するように有機ELパネルを生産できる点が特徴。実用化すれば、競合の韓国Samsungよりも製造コストを3〜4割程度削減できるという。

photo 「印刷方式」の特徴(=JOLEDのニュースリリースより)

 報道に対し、JDIは「JOLEDの資金調達に関する報道内容は、当社が発表したものではない」とコメント。ただし、「JOLEDと当社は製品量産に向け、当社の能美工場(石川県能美郡)の活用を含めた検討を進めている。決定事項が生じた場合は、速やかに開示する」とした。

 JDIは現在経営難に苦しんでおり、業績立て直しに向けた構造改革の一環で能美工場を12に閉鎖する旨を8月に発表している。

photo JDIの構造改革の一部(=JDIの決算資料より)

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