金融機関のデジタル活用〜デジタル活用のヒントを探る〜
特集
» 2017年10月24日 11時00分 公開

ターゲットは若者:将来稼ぐ力を予測する「AI融資」の狙いとは (2/3)

[鈴木亮平,ITmedia]

あらゆる情報を組み合わせて分析

――どのような情報を分析して属性を判断しているのですか?

小島: 他社と同じように15〜20項目の基本情報(勤務形態、年収、家族構成、住宅ローンの有無など)を収集していますが、当社ではそれに加えて「休日は何をしているのか」「どんな趣味を持っているのか」「お酒はどのくらい飲むのか」「お金についてどう考えているか」「自分はどんな性格なのか」――など、100項目近い多様な質問をすることで属性を細かく分析しています。

 基本的に、多くの情報を入力すればするほどスコアが上がり、そのスコアに応じて金利が下がっていきます。これは、単に「信用度が上がったから」というだけではなく、多くのデータを集めるために、インセンティブとして「スコアをプレゼントしている」という側面も強いですね。今後のためにデータを集めて、予測の精度を上げていきたい狙いもありますので。

photo 質問に答えるほど、スコアがアップする

 他にも、「情報連携」(みずほ銀行の口座登録情報や、ソフトバンクキャリアの契約情報をJ.Scoreに提供すること)をしたユーザーには、無条件で金利を0.1%下げています。

 これは両社の顧客を増やしていくための仕掛けですが、もちろん、みずほ銀行やソフトバンクとの取引データも分析に加えて、「このユーザーは信頼できる」と判断できるようになった場合は、より金利が下がる仕組みにしていく予定です。

 例えば既に、当社と情報連携をしたソフトバンクユーザーに関しては「こういう支払い傾向のユーザーは信用度が高い」といった相関データを基に分析をしており、スコアに反映させています。今後は電子マネーがどういうところに使われているのかなど、お金の流れも分析に加えていくことも検討しています。

photo ライフスタイルや価値観に関する質問をする

――AIで審査することの強みは何でしょうか?

小島: 膨大な量のデータ分析ができることで、これまで分からなかった相関性を見つけ出せることですね。

 多くの20代はお金をあまり所有していません。だから従来の審査基準(年収、勤続年数、金融資産など)だけだとリスクが高くなり、当然金利も高くなる。しかし、あらゆるデータを組み合わせることで、これまで気付けなかった「信用(返済能力)」を見える化することができるわけです。

 結果として「本来は低い金利で借りても大丈夫な人が借りられない」という事態をなくすことができますし、将来的には、何歳になると、どんな出費のニーズ(ライフイベント)が出てくるのかも予測できるようになるので、適切なタイミングで「借りませんか?」とレコメンドすることも可能になります。

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