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» 2017年11月02日 12時00分 公開

赤坂8丁目発 スポーツ246:日本シリーズのチケットは完売したのに、なぜ空席が目立つのか (2/3)

[臼北信行,ITmedia]

30倍近い値段で売られていた

 球界関係者の1人は次のように嘆く。

 「最初から転売する目的でチケットを大量購入したものの転売サイトなどで買い手がつかず、売れ残った席が試合当日に空席となる。当たり前の話だが、転売目的でチケットを購入する人はそもそもそのイベントに行く気などない。ましてや、そういう連中は会場に行けば万が一、何らかの形で“足”がついてしまうのではないかということも警戒するだろう。だからチケットは『札止め』でも会場の見た目は『満員』にならないというアンバランスな現象が起きてしまう」

 前出の熱狂的なベイスターズファンが「簡単に用意できるような額じゃない」と怒りを露にしたように転売されるチケットの額は法外だ。例えば某転売サイトでは11月2日未明現在、11月3日にヤフオクドームで組まれている日本シリーズ第6戦の「フィールドシートA3塁」というタイプのチケットが、2枚20万円で販売されていた。

 ローソンチケットで通常価格ならば1枚1万5000円。約6.67倍だ。しかも第5戦の勝敗の行方が判明しておらず、結果いかんによってはホークスの日本一が決まって第6戦が行われない可能性もある。それでもこれだけの額が付けられているのだから開いた口がふさがらない。「30倍近い値段で売られていたこともあった」との情報もある。一部の転売サイトには今も5000件以上のチケットがエントリーされており、数多くの売買が成立している。しかし、これは「不正転売」で言うまでもなく犯罪行為だ。

 日本シリーズを主催する日本野球機構(NPB)も10月17日、NPBの主催または開催運営する試合で転売もしくは譲渡されたチケットについては権利が無効になり、球場や会場には入場できない方針を明らかにしている。しかし、これは「有名無実化」していて、実際にはチェック機能が甘く、日本シリーズのチケット転売がネット上で“無法地帯”となっているのだ。

 ちなみに今回の日本シリーズで対戦しているホークス、ベイスターズともにレギュラーシーズンなどの主催試合ではスマートフォンを使って電子チケットが購入できるシステムを導入していて、転売など不正がしにくい状況を確立させている。しかしながら、この電子チケットにも盲点があり、他のイベントにおいてはスマホを取引相手に貸し出して売買を成立させようとした転売者が逮捕されるという事件も起きている。

横浜スタジアムだけでなく、ヤフオクドームのスタンドでも空席が目立った

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