やはり大相撲は「伏魔殿」なのか。横綱の日馬富士が平幕の貴ノ岩に暴行して頭部にケガを負わせていたことが発覚した。
10月末の鳥取巡業中にモンゴル人力士らが集まる恒例の酒席が行われた際、日馬富士は貴ノ岩の言動に腹を立ててビール瓶を振り下ろすと素手で20発以上も殴打したとされている。日本相撲協会側に提出された貴ノ岩の診断書には「脳振とう、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」で「全治は2週間程度と考えられる」などと記されていた。
11月5日から9日まで福岡市内の病院に入院した貴ノ岩は現在行われている九州場所を初日から休場している。さらに被疑者の日馬富士も初日から2連敗後、暴行問題が発覚した当日の3日目から負傷を理由に休場届を提出した。
日馬富士の愚行はどうあっても許せるものではなく、弁解の余地などない。「横綱」と呼ばれる男が「暴行事件」という重大犯罪を引き起こしたのだ。今後土俵に上がることは不可能であり、引退、そして廃業は逃れられないだろう。
すでに鳥取県警も傷害容疑で捜査し、日馬富士の聴取時期を検討し始めている。実力とともに品格が求められる「横綱」という地位に日馬富士はもはやふさわしくない。もともと酒癖が悪く、キレやすい側面も持っていたとささやかれているだけに「いずれ取り返しのつかない大きな問題を引き起こしてしまうのではないか」と心配する向きも少なくなかった。そして、それは悪い意味で的中。ようやく人気復興のメドが立ち、逆に大ブーム到来の予兆が漂いつつあった相撲界の勢いに日馬富士は完全に水を差すことになってしまった。
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