――経営が立ちいかなくなることは、いつ気付いたのか。
篠崎社長: 2017年の4月だ。当時は仕入れ先への支払いが滞り、商品の供給がストップした。どこかでカバーできると感じていたが、従業員のモチベーションが下がりはじめ、危機感を感じた。
――そういう状況にもかかわらず、注文を取り続けていたのは詐欺ではないか。
篠崎社長: 詐欺のつもりはなかった。
――銀行との融資交渉はしていたのか?
篠崎社長: ギリギリまでしていたが、昨年12月20日前後、メインバンクの頭取に融資を断られた。その他に2行と交渉したが、それも断られた。
――昨年破産した格安旅行会社「てるみくらぶ」の社長は、銀行に融資を求める際、不正に操作した財務諸表を提出して詐欺罪で逮捕された。あなたも偽装したのでは。
篠崎社長: 私はやっていない。
――ただ、決算情報や、公式Webサイト上の資本金は事実と異なっていたことが発覚している。
篠崎社長: 決算情報は記載・確認ミスだ。資本金は本来は150万円で、資金繰りによって1000万円に増やす予定だった。予測の意味も込めて1000万円と記載したが、結局、資本を追加できなかった。修正しなかった私のミスだ。
――負債の返済に充てられる資産はあるのか?
篠崎社長: 私個人の資産は数十万円しか残っていない。不動産もない。会社の資産は、まだ売れていない振り袖や帯、小物が200点程度残っている。総額2000万円程度と考えているが、負債の返済を保証するものではない。
――顧客に渡すはずの振り袖をフリマアプリ「メルカリ」などで転売したとの疑惑もあるが、在庫は残っているのか。
篠崎社長: 在庫はほぼ全て残っている。転売はしていない。
申立人代理人の吉田進一弁護士: 仮縫いのものも含めて1200着程度残っているが、一切欠けていないとは断言できない。数えたのはわれわれ弁護士で、顧客リストなどと逐一照合したわけではないので抜け漏れがあるかもしれない。今後確認を進めたい。
――そうすると、一部の顧客には振り袖を返せない可能性もあるのでは?
篠崎社長: 問屋が持って行った可能性はないし、転売もしていない。全てあるはずだ。あると約束したい。
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