30年も売れ続けている「成城石井のシュウマイ」、舞台裏に迫る水曜インタビュー劇場(5位以内公演)(1/5 ページ)

» 2018年03月07日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 スーパーマーケットは市場が成熟しているので伸び悩んでいる――。

 経済産業省が発表しているデータを見ても、スーパーの販売額は90年代後半から12〜13兆円で推移している。大手スーパーの決算が報じられるたびに「パッとしないなあ」と感じられる人も多いかもしれないが、そんな中で大きく成長しているところがある。高級スーパーで知られる「成城石井」だ。

 2017年度2月期の売上高を見ると、858億2000万円、営業利益は77億9000万円。いずれも10年ほど前から増収増益が続いている。店舗数も増えていて、1994年には4店舗しなかったが、現在は164店舗(ワインバー6店舗含む)と出店が加速している。

 好調な業績を支えている商品は何か。記者が注目しているのは「成城石井 国産豚のジューシー焼売(小)」(以下、ポークシュウマイ)である。「なんでよりによってシュウマイなんだよ。成城石井にはワインとかチーズとかたくさんあるだろ。せめてギョーザだろう」といったお叱りをいただきそうだが、ポークシュウマイを選んだのには理由がある。30年ほど前から販売していて、オリジナル商品の売り上げランキングをみると、常に5位以内に位置しているのだ。

 1パックに12個入っていて、価格は599円(税別)。一般的な冷凍シュウマイは200〜300円で売っているのに、なぜ成城石井のポークシュウマイは長く愛され続けているのか。製造本部でシュウマイなどを担当している大橋尚史さんに、ロングセラー商品の舞台裏に迫った。聞き手は、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則。

成城石井のポークシュウマイが売れている
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