それにしても、北広島市はよく頑張った。鉄道の話ではないので詳しく触れないけれど、ざっと球団移転関連のニュースを追ってみて、久々にスカッとする話題だった。
一方で新駅誘致絡みの報道を拾ってみた。こちらはモヤモヤする。
読売新聞 3月28日版「日ハム移転「新駅設置」議論にクギ…JR北社長」
北海道新聞 3月28日版「ボールパーク候補地決定 JR社長「新駅、必要なら議論」」
「全面的に協力していく」と語っているので、読売新聞の「クギを刺す」という見出しはどうかと思う。いかにもJR北海道が水を差している印象だ。しかし、後段で「協力したいとは思うが……」とトーンダウンしていることも事実。「全面的に」の中に「新駅」は入らないという印象を受ける。シャトルバスのために北広島駅前を整備するとか、野球開催日の増発、車両の増結くらいはしますよ、程度の認識かもしれない。
うがった見方をすれば「全面的に」とは言ってみたものの、「前向きすぎる姿勢を見せると、新駅設置費用の負担を求められるかもしれない」と警戒しているようにも感じ取れる。これについては、もとより北広島駅は「請願駅として設置協力を依頼」と報じられているから、そもそも北広島市、あるいは球団も含めて建設費、維持費を面倒見ることになりそうだ。JR北海道社長発言は「請願駅の立場を変えない」という念押しだろう。
ちなみに、JR北海道の社長会見は18年の事業計画の発表として行われた。ボールパーク建設決定を受けて行われたわけではない。事業計画では179億円に及ぶ過去最大の純損失を見込んでおり、とにかくおカネがないという状況だ。そんな場で積極的に「新駅を設置します」とは言いづらいかもしれない。有望な案件には投資したい、と言えないのだろうか。
2本の線路の両側に対向式プラットホームを置く新幹線札幌駅の「大東(おおひがし)案」では75億円の負担を表明し、在来線の増発ができないからと現駅案を否定。ならば、増発する列車の集客になるボールパーク新駅の誕生はありがたいはずだ。相変わらず場当たり的で、鉄道利用者にサービスを提供してお代をいただくという視点に欠ける。
一方、新幹線札幌駅問題では鉄道本来の事業に消極的だが副業に熱心で、これはもう鉄道事業者としてバランスがおかしい。経営陣は表計算ソフトばかりにらんでないで、出札窓口やプラットホームに立ってお客さまを見てほしい。
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