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» 2018年04月17日 06時30分 公開

“ブラック企業アナリスト”が斬る労働問題:教師の“ブラック労働”が横行 その根源「給特法」の実態とは (2/3)

[新田龍,ITmedia]

私立校も対岸の火事ではない

 ただ、給特法が適用されない私立校にとっても、こうしたブラック労働は対岸の火事ではない。

 今年1月発表の「第3回 私学教職員の勤務時間管理に関するアンケート調査報告書」(公益社団法人私学経営研究会)では、教員の出退勤についてシステム的に把握できている私立校は約2割にとどまっていることが判明した。残る約8割は単に出勤簿に押印するのみで、具体的な勤務時間を把握できていないという。

 残業代の扱いについても、公立校と同じく月給4%分を「教職調整額」として支給している学校や、それに若干の手当を追加支給しているだけの学校が多いことも判明した。

 こうした環境を問題視した労働基準監督署が、私立校に指導や是正勧告を行うケースも増えており、何らかの指導を受けた学校は全国で約2割に上るとしている。

 これまで労基署が直接私立校に立ち入って調査や指導をするというのは極めてまれだったが、時代は変わったようだ。

関西大学に是正勧告も

 4月上旬にも、関西大学高等部、中等部、初等部の教員に違法残業をさせたとして、運営する私立の学校法人「関西大学」が茨木労基署から計2回の是正勧告を受けていたことが判明した。

photo 関西大学中等部の公式Webサイト

 一部報道によると、1回目の是正勧告は昨年4月で、労基署は残業実態や労働時間の記録不備などを指摘した。2回目は今年3月で、違法残業などを指摘したという。

 労使協定を結ばないまま残業した教員が52人に上ったほか、残業時間が最長で年間2042時間に達した教員もいたとしている。

 一流の学校法人として知られる関西大学でも、このようにずさんな労務管理がまかり通っていたのだ。まだ調査の手が及んでいない学校を含めると、潜在的に違法状態にある学校はさらに多いだろう。

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