ジャニーズと日ハムに学ぶ、人材輩出企業の正しい在り方常見陽平のサラリーマン研究所(4/4 ページ)

» 2018年04月20日 08時00分 公開
[常見陽平ITmedia]
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魅力的にする努力が不足

 そのような企業は毎年、大量の新入社員を受け入れ、たくさんの転職組を採用している。人事担当者は毎日のように面接対応に追われているのだろう。大変だ。なぜブラック企業と呼ばれるところは、人材輩出企業になれないのか。

 結局のところ、その企業を労働者にとって魅力的なものにする努力が欠けているのである。人を人と思わずに、単なるコマのように扱っていないか。人を育てる、気持ちよく働いてもらう、という意識はあるのか。労働者から会社への愛が自然とわきあがるような組織になっていないのである。

 働いていた企業を嫌いにならないで旅立ってもらうために、どうすればいいのか。その企業のOB・OGであることを誇りに思ってもらうために、どうすればいいのか。経営者と人事は真剣に考えるべきである。

常見陽平のプロフィール:

 1974年生まれ。身長175センチ、体重85キロ。札幌市出身。一橋大学商学部卒。同大学大学院社会学研究科修士課程修了。

リクルート、玩具メーカー、コンサルティング会社、フリーランス活動を経て2015年4月より千葉商科大学国際教養学部専任講師。長時間の残業、休日出勤、接待、宴会芸、異動、出向、転勤、過労・メンヘルなど真性「社畜」経験の持ち主。「働き方」をテーマに執筆、研究に没頭中。著書に『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社)『僕たちはガンダムのジムである』『エヴァンゲリオン化する社会』(ともに日本経済新聞出版社)『「就活」と日本社会』(NHK出版)『「意識高い系」という病』(ベストセラーズ)『普通に働け』(イースト・プレス)など。


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