JRの“大回り乗車”で房総半島1周 海を眺めて名物駅弁を食べる:杉山淳一の「週刊鉄道経済」GW特別編(5/7 ページ)
何年前だったか、初めてトンかつ弁当を食べたときは驚いた。まずは値段の安さ。次にカツの薄さ。肉がすごく薄い。スライスハムかと思った。衣と同じくらいの薄さだ。駄菓子屋さんで売っている「BIGカツ」と言ったら分かっていただけるだろうか。しかし、カツの下にあるご飯はとてもおいしい。カツの薄さがご飯を引き立てている。この弁当はご飯が主役だと思う。つまりこれは「安っぽいカツの下にご飯がある」ではなくて、「おいしいご飯の上に、本物の肉を使ったカツのふりかけが載っている」と考えるべき弁当なのだ。
では、「JUMBOカツ弁当」はどうなのか。確かにカツは大きい。ご飯も多い。しかしカツの薄さはそのままだった。うれしかった。万葉軒のカツはこうでなくっちゃ。
JUNBOカツ弁当。掛け紙にトンかつ弁当のイメージを残す。カツはデカい。そして、薄い(笑)
端のカツを取ったら、下に漬物と佃煮が入っていた
内房線の列車は館山行き。館山駅の接続は良く、同じプラットホームの反対側から1分後に木更津行きが発車する。しかしこれを見送って階段を上がった。館山駅には「くじら弁当」という駅弁があると聞いたから。ところが改札口付近に駅弁屋さんは無し。情報が古かったかな、とがっかりした。後で調べると、イベント列車の運行日の販売で、普段は予約が必要らしい。
1本遅れの千葉行きに乗った。ここから内房、東京湾の眺めだ。上総湊駅まで、海が見えたり隠れたり。水平線の辺りは三浦半島だろう。浜金谷駅で船が見えた。久里浜港まで東京湾を渡るフェリーだ。今日は天気もいいし、波も穏やかだし、船旅も楽しそうだ。降りちゃおうか。IC乗車券だから精算もラクだし……。いやいや、初志貫徹で行こう。目的地は大井町駅だ。
富津岬の観音様が見えた
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