土肥: 海老名メロンパンは直径15センチ弱なので、一般的なメロンパンよりも一回り大きい。「サクサクのクッキー生地で、砂糖の食感がたまらない」と感じている人も多いと思うのですが、このたび「48時間以内で最も売れた焼き立て菓子パンの数」でギネス世界記録に認定されたそうで。当日、どのような状況だったのか。その話を聞く前に、販売した当時のことを聞かせてください。1993年に発売して、すぐに売れたのでしょうか?
宮田: いえ、かなり苦戦しました。1日に数十個しか売れない日々が続きました。しばらくして、このままではいけないということで、試食をしてもらうことにしました。海老名サービスエリアにはバスのドライバーさんやガイドさんが休憩する部屋があるんですよね。そこに海老名メロンパンを持っていって、食べてもらうことに。ドライバーさんとガイドさんからは「いい香りがするじゃないか」「これおいしいよ」といった声があって、その後一気に口コミで広がりました。
土肥: 当時の口コミって何ですか? いまであればSNSで拡散すれば「メロンパンが話題になっているよ」と分かるのですが、バスガイドの友人に勧めたとかですか?
宮田: 友人や知人に勧めた人もいらっしゃると思うのですが、そうではありません。観光バスに乗っていたバスガイドさんは、乗客に案内してくれたんですよね。「まもなく海老名サービスエリアに停車します。ここには『海老名メロンパン』があって、ワタシも大好きなんです。みなさんもよければどうぞ」といった感じで。
バスが到着するたびに、たくさんのお客さんがゾロゾロ出てきて、店に来ていただけました。試食をして「おいしい」となれば、おみやげに10個、20個買ってくれる人もいました。
土肥: いつごろの話でしょうか?
宮田: 販売して、5年ほどは苦戦していました。じわじわと売れていって、2000年以降はジグザグしながらも伸びていきました。2014年に1日最高6700個を販売して、現在は1日平均3200個売れています。
土肥: 営業時間は朝6時から20時までですよね。1カ所でしか販売していないのに、1時間で228個も売れていることになる。その数字を聞いただけでも「スゴいなあ」と感じるのですが、48時間で2万7503個も売ってギネスに認定されました。1時間で573個売った計算になるので、通常の2.5倍ペースで販売したことになる。そもそも、なぜギネスに挑戦しようと思ったのでしょうか?
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